イランのBRICS加盟、貿易と経済協力を重視

(イラン、インド、中国、ブラジル、ロシア、南アフリカ共和国)

テヘラン発

2023年08月30日

イランのモハンマド・ジャムシディー大統領府次官は8月24日、中国、ロシア、インド、ブラジル、南アフリカ共和国の新興5カ国で構成されるBRICSの首脳会議で、新たにイランの加盟が認められたことを発表した〔2023年8月24日付イスラーム共和国通信(IRNA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕。イランは2022年6月にBRICSへの加盟申請を行っていた(2022年7月4日記事参照)。

イランのイブラーヒーム・ライーシー大統領は、南アで8月22~24日に開催された第15回BRICS首脳会議に参加した。8月25日早朝の帰国後の記者会見で、「BRICSは貿易と経済協力に重点を置いており、イランとBRICSとの関係は、イランの『抵抗経済』と協調している。世界的、地域的、そして地域横断的な組織とのコミュニケーションがイランの政治力を強化する」と強調した。また、イランの現政権において、貿易交流が外交政策の重要な課題と述べ、イランは地域内で優れた商業能力を持っているとした(2023年8月25日付IRNA外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

ライーシー大統領はまた、すべてのBRICS加盟国に対してイランが協力する用意があることを表明しており、イランは、加盟国間の経済関係においてドルでの決済を減少させ、自国通貨やBRICSのあらゆるメカニズムを決済と金融開発に利用するという、BRICS圏の取り組みを強く支持すると述べた(2023年8月24日付IRNA外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

ホセイン・アミール・アブドゥラヒャーン外相は、イランがBRICSに正式に加盟することを受け、各国の利益を最大化するには、さまざまな国際的メカニズムと協力することが適切とし、それゆえに、一部のBRICS加盟国は西側諸国との関係を維持しつつ、BRICSにも積極的に参加していると述べた。

またアブドゥラヒャーン外相は、BRICSは国際舞台で独立的かつ効果的な役割を果たすことを熱望しているとし、この点は上海協力機構(SCO)、ユーラシア経済連合(EAEU)、ASEANなどの他の多国間の枠組みと並んで、多国間主義を追求するイランの助けとなると述べた(2023年8月24日付IRNA外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

(鈴木隆之、マティン・バリネジャド)

(イラン、インド、中国、ブラジル、ロシア、南アフリカ共和国)

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