スイス医薬品局、欧州医薬品庁のイニシアチブ(OPEN)に参加

(スイス、EU)

ジュネーブ発

2023年08月08日

スイス医薬品局(スイスメディック、注1)は8月2日、EUの医薬品規制当局の欧州医薬品庁(EMA)の公開手続きのオープン(OPEN)イニシアチブへ参加することを決定したと発表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

EMAは、国際的な医薬品当局との連携を強化するために同イニシアチブを開始する。これにより、患者は革新的な医薬品への迅速なアクセスが可能になる。このイニシアチブは、参加当局間の交流促進とともに、規制の課題に対する統一的なアプローチを促すことを目的としている。また、意思決定の透明性を高める目的もある。スイスメディックは既に、新型コロナウイルス感染拡大の際、このイニシアチブのパイロット段階を経験している。

EMAはこのたび、OPENの対象となる医薬品をさらに拡大した。今後は、プライム(PRIME)と呼ばれる優先医薬品のスキーム内の医薬品に加え、アンメット・メディカル・ニーズ(注2)が高いその他の医薬品、抗菌薬耐性を治療する医薬品、公衆衛生の脅威から守るための医薬品も対象となる。EUの定義によると、先進治療薬(ATMP)はこのイニシアチブの対象にはならない。

OPENへの参加により、スイスメディックは承認申請者の同意の下、OPENのパートナーとして、ヒト用医薬品委員会(CHMP)と緊急対応委員会(ETF)の会議に参加することができる。

現在、スイスメディックのほか、オーストラリア薬品・医薬品行政局、ブラジル国家衛生監督庁、カナダ保健省、日本の厚生労働省と医薬品医療機器総合機構(PMDA)、世界保健機関(WHO)がこのイニシアチブに参加している。

(注1)スイスの医薬品・医療機器承認・規制当局。

(注2)いまだ満たされない医療上の必要性を意味する。患者や医師から強く望まれているにもかかわらず、有効な既存薬や治療がない状態を指す。

(竹上嗣郎)

(スイス、EU)

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