欧州委のグリーン・ディール政策総括、ティーマーマンス執行副委員長が辞任

(EU、オランダ)

ブリュッセル発

2023年08月24日

欧州委員会は8月22日、フランス・ティーマーマンス執行副委員長(欧州グリーン・ディール政策総括、気候変動対策担当)の辞任を発表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。ティーマーマンス執行副委員長がこの日、ウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長に辞表を提出し、受理された。オランダ総選挙に立候補するためとしている。

オランダでは7月7日に、マルク・ルッテ内閣が、連立4党の政権内で難民申請者の流入制限措置について見解が不一致なことを理由に、内閣総辞職を表明した。下院選挙は11月22日に実施される予定(2023年7月11日記事参照)。報道によると、ティーマーマンス氏は、野党の労働党(PvdA)と緑の党(GL)の筆頭候補となっている。

ティーマーマンス氏は2014年から2019年まで、ジャン=クロード・ユンケル前欧州委員会委員長の下で第1副委員長を務め、「より良い規制」環境の実現に専念した。現在の欧州委員会では、2050年までの気候中立に向けた立法課題を調整し、EUを代表して国際交渉に参加した。フォン・デア・ライエン委員長は「気候変動に対する野心を世界的に向上させた」と謝意を示した。

フォン・デア・ライエン委員長は、欧州グリーン・ディール政策総括の後任を、マレシュ・シェフチョビチ副委員長(EU機構関係・将来展望担当)とすることを発表した。気候変動対策担当についても、オランダ出身の新委員が任命されるまで、シェフチョビチ氏に委ねるとした。欧州グリーン・ディールの政策枠組みは一通り成立し、脱炭素化に向けた予算規模も過去にない規模で措置され、これからは実行に移していく段階にあり、シェフチョビチ氏の手腕に期待を寄せた。

(薮中愛子)

(EU、オランダ)

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