7月のインフレ率は前年同月比6.3%、19カ月ぶりに1桁台に

(スリランカ)

コロンボ発

2023年08月17日

スリランカ・センサス・統計局は7月31日、7月のコロンボの消費者物価指数外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(CCPI)上昇率(インフレ率、注)が前年同月比で6.3%だったと発表した(添付資料図参照)。6月の12.0%からは5.7ポイントの低下となり、同国のインフレ率は19カ月ぶりに1桁台となった。コロンボのインフレ率は2022年10月以降低下しており、物価上昇速度の鈍化傾向が鮮明になっていた(2023年6月6日記事参照)。インフレ率の低下については、スリランカ中央銀行(CBSL)が示していた2023年第3四半期(7~9月)に1桁台のインフレ率に低下するとの予測が早期に実現したもの。

食品部門は、6月のインフレ率4.1%に対して、7月はほぼ4年ぶりに1.4%のデフレ(前年同月比)に転じた。一方、非食品部門のインフレ率は6月の16.2%から7月には10.5%(前年同月比)とさらに低下した。

CBSLは今後について、インフレ率はさらに緩やかになり、中期的には4~6%の目標水準前後で安定すると予想している。CBSLはまた、このディスインフレ過程について、金融・財政引き締め政策の遅効性、供給サイドの改善、エネルギー・食品インフレの軟化などによるものとの見方を示した。

(注)コロンボ・ベースのCCPIは、基準年2021年=100としている。一般物価水準は基準年と比較し、90.2%上昇したという。

(大井裕貴、寺島かほる)

(スリランカ)

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