国産クラフトビール「伊勢角屋麦酒」、インドで現地生産を開始

(インド)

アーメダバード発

2023年08月01日

二軒茶屋餅角屋本店(にけんぢゃやもちかどやほんてん、三重県伊勢市)は、自社の国産クラフトビールブランドの「伊勢角屋麦酒ペールエール」をインド北部のウッタル・プラデーシュ(UP)州において現地生産、販売を開始すると発表した(二軒茶屋餅角屋本店ニュースリリース)。国産ブランドのクラフトビールのインド国内生産は、日本企業で初となる。

二軒茶屋餅角屋本店は1997年からクラフトビール事業を立ち上げ、国内外のビール品評会で数々の賞を受賞している。2023年3月に開催された「ジャパン・ブルワーズ・カップ(Japan Brewers Cup)」では、ビール製造従事者が選ぶ最も優れたメーカーに与えられる「チャンピオン・ブルワリー(Champion Brewery)」に選出された。東京商工リサーチによる「第13回地ビール動向調査」によれば、2022年1~8月の国内のクラフトビールのメーカー別出荷量で2位となっている。

今回、同社のインド事業のパートナーとなるのは、繊維業や貿易業など5つの事業を展開するコングロマリット(複合企業)の傘下企業、ワロップ・ブリューイング(Wallop Brewing Pvt Ltd、以下、ワロップ)だ。ワロップは、UP州バラナシ近郊の新興クラフトビールメーカーで、二軒茶屋餅角屋本店はワロップにレシピおよび生産工程の技術提供を行い、ワロップ社の工場で委託生産する。

二軒茶屋餅角屋本店の鈴木成宗代表取締役社長は「所得の拡大に伴い、インドの若者やアッパー層の中ではクラフトビールの消費も伸びているが、現地のビールの品質はまだそれほど高くない。質の高いビールを作ることで、今後、市場を狙える可能性は十分にある」と、インドでの事業展開に意欲を見せている。

7月21~25日には、UP州内3都市(ラクナウ、バラナシ、ノイダ)でプレローンチイベントを開催。21日にラクナウで開催されたイベントには、前三重県知事で内閣府大臣政務官の鈴木英敬氏も出席した。

写真 ラクナウでのプレローンチイベントにて〔(右から)鈴木成宗代表取締役社長、鈴木英敬内閣府大臣政務官、ワロップ・ブリューイングのビニート・チョプラ氏、ベダント・チョプラ氏(二軒茶屋餅角屋本店提供)〕

ラクナウでのプレローンチイベントにて〔(右から)鈴木成宗代表取締役社長、鈴木英敬内閣府大臣政務官、ワロップ・ブリューイングのビニート・チョプラ氏、ベダント・チョプラ氏(二軒茶屋餅角屋本店提供)〕

同社のクラフトビールブランド「伊勢角屋麦酒ペールエール」は2023年秋ごろからUP州内で販売を開始し、将来的にはインド国内の他州にも展開する計画だ。

(飯田覚)

(インド)

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