政策金利を10.25%に、3年4カ月ぶりの利下げ
(チリ)
サンティアゴ発
2023年08月04日
チリ中央銀行は7月27、28日の政策金利決定会合で、政策金利をこれまでの11.25%から100ベーシスポイント引き下げ、10.25%とすることを全会一致で決定した(添付資料図1参照)。中銀が利下げを行ったのは2020年4月1日以来、約3年4カ月ぶり。
関連して、チリ統計局(INE)の7月7日付発表によると、6月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前月比マイナス0.2%、前年同月比7.6%だった(添付資料図2参照)。前年同月比は2022年8月の14.1%をピークに、低下傾向が続いている。
CPI上昇率を費目別にみると、食品・飲料(酒類を除く)と酒類・たばこはどちらも前月比0.3%だった(添付資料表参照)。食品は乳製品、たまご、肉の値段が上昇した。レストラン・ホテルも需要が戻って0.4%だった。一方で、衣類・靴類は前月比2.4%減で、子供や女性用の靴の価格が下がった。交通は、ガソリンやディーゼルなどの燃料価格の低下により、前月比0.4%減だった。
ロサンナ・コスタ中銀総裁は今回の利下げの実施について「インフレの収束が見られ始めており、金融引き締め策を緩和する余地が生まれつつある」と説明し(「ラ・テルセラ」電子版、7月28日)、マクロ経済状況とインフレを考慮した上で、短期的にみて今後も金融緩和を継続していくことを示唆している。次回の金融政策決定会合は9月5日に開催される予定。
(岡戸美澪)
(チリ)
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