ハリケーンによる米南カリフォルニアの貨物鉄道運行への影響、長期化懸念

(米国)

ロサンゼルス発

2023年08月28日

米国南カリフォルニアに820日に上陸したハリケーン「ヒラリー」による貨物鉄道の運行への影響が続いている。米国の貨物鉄道会社ユニオン・パシフィック鉄道(Union Pacific Railroad:本社ネブラスカ州オマハ)によると、23日時点で、カリフォルニア州バニングとインディオの間(ユマ区画)の橋と線路の修復には約2週間かかると推定されている。列車の脱線なども確認される中で復旧作業が進められ、他区画では順次運行が再開しており、修復作業が続いているのはユマ区間の1カ所のみとなっている。ロサンゼルスの港湾地域から米国南西部の各州へ向かうユニオン・パシフィック鉄道の路線はユマ区間を通って延びており、多くの貨物が輸送されているため、貨物輸送への影響の長期化が懸念される。

運行を再開した区間でも列車の滞留を解消するには数日を要し、また、安全のため、これらの区間には速度制限が設けられている。車両と乗務員を再配備する必要もあり、遅延が拡大する可能性があるとされている。

ユニオン・パシフィック鉄道はハリケーンシーズン中のベストプラクティスを顧客に知らせるためしている。

なお、20日にはカリフォルニア州南部でマグニチュード5.1の地震も発生したが、この地震による鉄道運行への影響は出ていないとされている。

(堀永卓弘)

(米国)

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