国内最大の自動車展示会「GIIAS」、新型EVの発表相次ぐ
(インドネシア)
ジャカルタ発
2023年08月21日
インドネシアのジャカルタ近郊で、自動車展示販売会「ガイキンド・インドネシア国際オートショー(GIIAS)」が8月10日から20日まで開催された。乗用車と商用車が対象で、計49の主要ブランド(四輪34ブランド、二輪15ブランド)が出展した。四輪は中国ブランドの増加などで、前年より9ブランド増加した。初出展の中国ブランドによる新たな電気自動車(EV)の発表が相次いだほか、韓国や日系のブランドも新型車を多数発表した。
GIIASはインドネシア最大の自動車展示会で、新型コロナ禍前の2019年には約47万2,000人、2022年には38万5,487人が来場した。30回目の今回は、EV時代の到来とインドネシア自動車産業の未来を象徴する「Future Now」がテーマとして掲げられた。
初出展の中国ブランドでは、EVメーカーの合衆新能源汽車(NETA)が小型EV「NETA V」を発表〔オンザロード価格(注):3億7,900万ルピア、約360万円、1ルピア=約0.0095円〕した。ネタ・オート・インドネシア社長のワン・チェンジエ氏は「2023年第4四半期(10~12月)にインドネシアでの販売を開始し、2024年第2四半期(4~6月)から現地生産を予定している」と述べた(「コンパス」8月13日)。
また、上汽大通汽車(MAXUS)は7人乗りMPV(多目的車)のEV「MIFA 9」(オンザロード価格:14億2,500万ルピア)を発表、長城汽車(GWM)は小型EV「Ora 03」(オンザロード価格:6億3,000万ルピア)を発表した。中国ブランドではそのほか、奇瑞汽車(チェリー・オートモービル)がスポーツ用多目的車(SUV)のEV「Omoda 5」を発表した(オンザロード価格:3億3,480万ルピア)。
合衆新能源汽車(NETA)が展示した小型EV「NETA V」(ジェトロ撮影)
上汽大通汽車(MAXUS)が展示した7人乗りEV「MIFA 9」(ジェトロ撮影)
長城汽車(GMW)が展示した小型EV「Ora 03」(ジェトロ撮影)
韓国ブランドでは、起亜が大型SUVの最上位車種のEV「EV9」(オンザロード価格:19億7,500万ルピア)を東南アジアで初めて投入することを発表した。また、現代自動車の現地法人ヒュンダイ・モーター・インドネシア(HMID)はEV「Ioniq 6」(オンザロード価格:11億9,700万ルピア)を発表した。
現代自動車が展示したEV「Ioniq 6」(ジェトロ撮影)
GHG排出量削減へ、HV優遇措置拡大も検討
インドネシア政府は、EVだけでなく、ハイブリッド車(HV)に対する優遇措置の拡大も検討している。アグス・グミワン工業相は8月10日、「温室効果ガス(GHG)排出量削減を促進することを狙いとして、インドネシア政府がHVへの優遇措置拡大を検討中」と表明。優遇措置の内容や導入時期については未定としたものの、EVにかかる優遇措置とは異なる内容とするとした(「コンタン」8月12日)。
(注)車両登録証の手数料などを含めた車両価格。
(八木沼洋文)
(インドネシア)
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