エネルギー規制委員会が許認可申請の月間受け付け上限を撤廃

(メキシコ)

メキシコ発

2023年08月01日

メキシコのエネルギー規制委員会(CRE)は7月20日、炭化水素関連で月間合計50件、電力関連で同15件までという新規申請受け付けの制限を撤廃した。毎月の月初5営業日以内に申請受け付け文書番号を取得する手続きも不要となる。申請はCREの行政プロセスを規定する本来の法規に基づき行うことができ、優先順位に基づきCREの承認がなされる。

今回の認可条件撤廃にあたっては、CREが7月20日付連邦官報に公文書外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(A/023/2023)を掲載し、2021年1月18日付公文書(A/001/2021外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)と2023年2月28日付公文書(A/004/2023外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)の効力を取り消した。公文書A/001/2021は、新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)禍における衛生対策の一環として、許認可の審査を一時停止する内容。公文書A/004/2023は、公文書A/001/2021を改正するもので、新型コロナ感染の収束を受けて2023年3月1日から審査を正式に再開するが、蓄積した未処理案件を優先するため、1カ月当たりの新規申請の受け付けに制限を設ける内容(2023年3月6日記事参照)。今回の公文書は、これら2つの公文書の効力を取り消す理由として、新型コロナ感染の拡大を理由に導入された制限措置は、衛生上の危機状態ではなくなった現状から考えると撤廃されるべきだと説明している。

依然として手続き遅延は避けられないとの声も

今回の措置は、新規許認可申請に上限を設ける措置に対する経済界の強い反発に対応したものとみられ、メキシコ経営者連合会(COPARMEX)からは、メキシコにおける法的信頼性を高める内容と評価する声明が出されている(COPARMEXプレスリリース2023年7月20日付外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

他方、新型コロナ禍で蓄積した未処理案件の多さから、それらの処理に最低1年は要するという声もある。エネルギー部門被規制者協会(ARSE)のマルシアル・ディアス会長は、新型コロナ禍で蓄積した未処理案件は9,000件に及ぶが、現在までに処理できたのは2,700件にとどまり、いまだに6,300件が審査されずに残っている状況だ、と語る(「レフォルマ」紙7月24日)。

(中畑貴雄)

(メキシコ)

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