中国各地でM痘感染が確認される

(中国)

北京発

2023年08月14日

中国疾病予防コントロールセンター(CDC)は8月9日、7月1~31日の中国23省・自治区・直轄市でのM痘(サル痘、注1)の新規感染数が491例だったと発表した(注2)。6月の新規感染数106例から急増しているかたちだ。

CDC発表の疫学調査・分析では、7月の増加は次のような特徴を示していると報告している。

  1. 全ての症例が男性で、感染の96.3%が同性間における性行為。
  2. 他の接触経路による感染リスクは低く、同性間性行為以外の濃厚な接触による感染はないとみられている。
  3. 症例の89.2%は感染者自身による主体的な受診に基づき発見され、6.5%は濃厚接触者のフォローアップスクリーニングに基づき発見された。
  4. 症例の大半は発熱、ヘルペス、リンパの腫れなどの典型的な症状を呈していた。

中国国家疾病予防コントロール局と国家衛生健康委員会は、6月以降に各地でM痘の感染が確認されていることを受け、7月27日に「M痘予防制御方案に関する通知」を発表し、M痘に関する知識の向上や、予防措置の啓蒙を行っている。

なお、世界保健機関(WHO)は5月に、M痘に関する「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を終了すると発表(2023年5月15日記事参照)している。

(注1)世界保健機関(WHO)は2022年11月に名称を「サル痘(monkeypox)」から「M痘(mpox)」に変更すると発表した。詳細は2022年11月29日記事参照。

(注2)地域ごとの感染数は、広東省115例、北京市81例、四川省49例、浙江省40例、湖南省33例、江蘇省31例、上海市25例、安徽省19例、天津市17例、湖北省17例、河南省14例、遼寧省12例、山東省12例、吉林省9例、雲南省4例、陝西省4例、福建省2例、重慶市2例、山西省1例、内モンゴル自治区1例、広西チワン族自治区1例、貴州省1例、青海省1例。重症と死亡事例はないと報告している。

(亀山達也)

(中国)

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