英中銀、政策金利を年5.25%に引き上げ、さらなる引き締めの可能性も排除せず

(英国)

ロンドン発

2023年08月04日

英国イングランド銀行(BOE、中央銀行)は8月3日、政策金利を0.25ポイント引き上げて、年5.25%とすると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。前日まで開かれていた金融政策委員会(MPC)で決定した。3会合ぶりに利上げ幅を拡大した6月の前回会合からは縮小した。2021年12月以降14会合連続の利上げ。

国内のインフレ圧力が継続するリスクも踏まえ、経済情勢が転換すると判断するのは時期尚早として、MPCの委員9人中6人が0.25ポイントの引き上げを支持したとしている。同委員会は、インフレが長引けば追加の引き締め措置の可能性があることに言及し、インフレ率を持続的かつ中期的に2%に戻すために、十分な期間、必要な引き締めを行うとしている。

四半期ごとのGDP成長率については5月の予測から変わらず、活発な労働市場と賃金上昇により家計消費は引き続き底堅いことから、2023年第2四半期および第3四半期は0.2%の成長を見込むとした。今回の発表に合わせて公表された金融政策報告書外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、2023年と2024年の成長率はともに0.5%と予測され、5月の前回予測から2023年は0.25ポイント上方修正、2024年は0.25ポイント下方修正した。

インフレ率は5月の8.7%から6月は7.9%に低下し、前回会合の予測を下回った。また、エネルギー価格や食料品などの価格の低下により、2023年末までにインフレ率は約5%までに低下すると予測した。また市場の金利予測に従うと、2025年第2四半期までに2%のインフレ目標を達成、その後は経済低迷による国内のインフレ圧力および外的なコスト圧力の低下に伴い中期的に目標を下回ると予測した。

新たな副総裁を任命

BOEは8月1日、サラ・ブリーデン氏を11月1日付で副総裁(金融安定担当)に任命することを発表した。任期は5年。金融部門の安全性と安定性の確保のほか、中央銀行デジタル通貨(CBDC)についても担当すると報じられている(「ロイター」8月2日)。各種報道では、同氏の金融政策に対する見方は明らかになっていないとされている。

(松丸晴香)

(英国)

ビジネス短信 2d63a97fd5270baf