7月の乗用車販売は前年同月比2.9%増、多目的車の成長続く
(インド)
ベンガルール発
2023年08月23日
インド自動車工業会(SIAM)は8月10日、7月の自動車統計(出荷ベース)を発表した。乗用車〔多目的自動車(UV)とバンを含む〕の国内販売台数は、前年同月比2.9%増の30万2,521台で(添付資料表1参照)、2022年5月以降15カ月連続のプラス成長を記録。一般乗用車の販売数が減少し、UVが台数を伸ばす傾向が続いている。なお、添付資料表1の数字には含まれていないが、タタ・モータースの7月の乗用車販売台数4万7,628台を合算すると、7月単月の乗用車販売台数は35万149台に上る(注)。自動車販売全体(乗用車、二輪車、三輪車)では、前年同月比3.9%減の164万727台だった。
SIAMのラジェシュ・メノン事務局長は「7月の乗用車販売台数は前年同月比で微増となり、過去最高となった」と発表した。また、ビノド・アガルワル会長は「良好な経済環境や適度なモンスーン、今後の祝祭シーズンが自動車産業の成長を支えると期待する」とコメントした。
メーカー別乗用車販売では(添付資料表2参照)、首位のマルチ・スズキは15万2,126台で前年同月比6.5%増、韓国の現代は0.4%増の5万701台、地場のマヒンドラ&マヒンドラは29.1%増と前月に続き大きく伸ばして3万6,205台、トヨタ・キルロスカが2万543台と4.3%増加した。韓国の起亜は9.2%減の2万2台、ホンダが28.3%減の4,864台、日産が41.3%減の2,152台だった。なお、地場のタタ・モータースは、同社発表によると、電気自動車(EV)を含めて4万7,628台(前年同月比0.3%増)と横ばいだった。
車種別の販売台数をみると、一般乗用車では、スズキのコンパクトモデル(「スイフト」「ワゴンR」など計6万7,102台)、同ミニモデル(「アルト」など計9,590台)、現代のコンパクトモデル(「i20」など計1万4,852台)などの販売台数上位車種での減少が続いたが、トヨタ・キルロスカのコンパクトモデル(「グランザ」など計4,902台)などが増加した。UVでは、スズキのコンパクトUV(「ブレッツァ」など)が計3万3,541台で前年同月比2.5倍、同スポーツ用多目的車(SUV)(「グランドビターラ」など)が2.4倍の2万3,431台と販売台数を大きく伸ばした。また、マヒンドラ&マヒンドラのコンパクトUV(「ボレロ」など計1万9,426台)、同SUV(「スコーピオ」など計1万6,779台)といった売れ筋車種も引き続き増加傾向だ。
7月単月の二輪販売は前年同月比7.2%減の128万2,054台だった(添付資料表1、3参照)。主要部門のオートバイは前年同月比6.1%減の81万7,206台、スクーターは10.5%減の42万8,640台、モペッドは12.7%増の3万6,208台と増加した。
(注)タタ・モータースの販売台数は単月の乗用車販売台数のみ公開。自動車販売台数全体とセグメント別、メーカー別、車種別、二輪、三輪統計には含まれない。
(松田かなえ)
(インド)
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