第2四半期のGDP成長率は前年同期比5.17%、輸出減も国内消費は堅調に推移

(インドネシア)

ジャカルタ発

2023年08月16日

インドネシア中央統計庁(BPS)は8月7日、2023年第2四半期(4~6月)のGDP成長率を前年同期比5.17%と発表した。5%を上回ったのは2021年第4四半期(10~12月)以降、四半期ベースで7期連続となる(添付資料図参照)。

支出別では、全ての項目で前年同期比プラスとなった。GDPの5割超を占める家計最終消費支出は5.23%増で、政府支出も10.62%増と唯一2桁成長を記録した。一方、これまで成長を支えていた輸出入はいずれも減少し、輸出は2.75%減、輸入は3.08%減となった。

業種別では、主要17業種全てが前年同期比プラスだった。成長率が高い順に、運輸・倉庫が15.28%増、その他サービスが11.89%増、宿泊施設・飲食が9.89%増となった。一方、GDPに占める割合が18.25%と最も高い製造業は4.88%増にとどまった。

地域別では、スラウェシ島が6.64%増と最も高い成長率で、GDPの6割弱を占めるジャワ島は5.18%増だった。ジャカルタ首都特別州は5.13%増となった。

BPSのエディ・マフムド次官(収支・統計分析担当)は「世界経済の減速と主要輸出商品価格の下落にもかかわらず、インドネシアのGDP成長率が7四半期連続で5%以上の成長を続けていることは、インドネシア経済が安定してきていることを示している。また、当期の民間消費の伸びは、外国人観光客の増加、学校の長期休暇、イスラム犠牲祭など宗教休日に伴う長期連休が寄与した」と述べた(「リプタン6」8月7日)。

マンディリ銀行のエコノミスト、ファイサル・ラックマン氏は「輸出活動は、世界経済の減速に伴い引き続き弱まる懸念がある。一方、国内消費は、インフレ率の低下、安定した財政状況などを背景に引き続き堅調に推移するだろう」とした(「アンタラ」8月7日)。

(八木沼洋文)

(インドネシア)

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