統計局、電力アクセス調査報告書を発表、非電化世帯率は約50%

(モザンビーク)

マプト発

2023年08月25日

モザンビーク統計局は814日、「再生可能エネルギーへのアクセスインパクト調査報告書」を発表した。同調査はノルウェー統計局(SSB)の提携のもと、20224月から6月にかけて、モザンビークの6,486世帯(有効回答6,367世帯)を対象に実施された。モザンビークの電力セクターは再生可能エネルギーによる発電比率が高く、発電能力の77.7%を占めている。2021年の電力生産量合計18,662ギガワット時(GWh)のうち、83.2%は再生可能エネルギーによるものだった。アフリカで4番目の規模を誇るカホラ・バッサ水力発電所(2021年の電力生産量14,990GWh)が同国の再生可能エネルギー発電を牽引している。

同報告書には、世帯のグリッド(送電網)、オフグリッド電力網への接続状況や、電源の利用状況などが含まれている。電化状況については、グリッドに接続している世帯が32.0%、オフグリッドで電力にアクセスする世帯が18.1%、未電化世帯が49.9%となった。

未電化率は都市部と地方部、また地域によって顕著な差があり、都市部での未電化率22.0%(グリッド接続71.2%、オフグリッド6.8%)に対し、地方部の未電化率は63.3%(グリッド接続13.1%、オフグリッド23.6%)に達した。地域別では、首都マプト市の未電化率が2.5%と最も低いのに対し、北部のカーボデルガード州、テテ州、ナンプラ州の未電化率はそれぞれ73.4%、69.8%、60.8%となり、南部に比べ北部の未電化率が高い傾向にある。

グリッド接続との併用も含めた電源の利用状況については、ソーラーを利用する世帯は19.4%、蓄電池(バッテリー)が1.8%、発電機が0.5%となった。ソーラー発電による電力を利用する世帯数比率は都市部では14.7%なのに対し、地方部では85.3%に達しており、送電網整備が進んでいない地方部において、オフグリッドソーラーが活用されている傾向を示している。

(松永篤)

(モザンビーク)

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