タイ商務省、中東アフリカや中南米とのFTA拡大を目指す

(タイ、EU、アラブ首長国連邦、中東、アフリカ、中南米)

バンコク発

2023年08月16日

タイ商務省貿易交渉局(DTN)は714日、タイの事業者の自由貿易協定(FTA)利用を促進するため、セミナーをバンコク都内のホテルで実施した。講演を行ったDTNのオラモン・サッタウィータム局長によると、現在、タイは18カ国と14FTAを締結している(添付資料参照)。タイのFTAカバー率(全貿易額に占めるFTA締結国・地域との貿易額の割合)は2022年で60.9%となっており、これを2027年までに80%に引き上げるべく、FTAの拡大を積極的に推進している。

同局長は最近のFTA交渉のトピックとして、タイ・EU間のFTAのほか、2024年までに、タイ・欧州自由貿易連合(EFTA)、ASEANカナダ、タイ・トルコ、タイ・スリランカなど、現在、進行しているFTA交渉を妥結すべく議論を急ぐ意向を示した。また、新たな貿易パートナーとのFTA締結に向けた実現可能性(FS)調査も進める。具体的には、タイ・湾岸協力会議(GCC)、タイ・太平洋同盟、タイ・南部アフリカ関税同盟(SACU)などが念頭にある。

DTNによれば、タイ・EU間のFTA交渉については、2023718日のDTNと欧州委員会通商総局の会議外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、20239月から開始することで合意した。第1回協議は20239月にベルギーのブリュッセルで、第2回協議は20241月にバンコクで、第3回協議は20246月にブリュッセルで開催される。FTA交渉は年3回開催し、必要に応じて回数を増やす。なお、交渉の妥結は2025年内を目標としている。

EUとの交渉に向け、(1)物品貿易、(2)原産地規則、(3)税関手続き・貿易円滑化、(4)貿易救済措置、(5)貿易の技術的障害(TBT)、(6)衛生植物検疫(SPS)措置、(7)サービスの貿易・投資、(8)デジタル貿易、(9)政府調達、(10)知的財産権、(11)競争、(12)国有企業、(13)中小企業、(14)エネルギーと資源、(15)貿易と持続可能な開発、(16)持続可能な食料システム、(17)透明性と良き規制慣行、(18)紛争解決メカニズム、(19)前文、一般規定、最終規定、法的・制度的規定、例外規定の19のサブグループが設置される。

また、DTNによると、アラブ首長国連邦(UAE)との包括的経済連携協定(CEPA)については、7月18~20日にバンコクで第2回協議を開催した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます2023年内に交渉を妥結することで合意した。第3回会合は8月下旬にドバイで、第4回会合は9月下旬にバンコクでそれぞれ開催が予定されている。

(北見創、シリンポーン・パックピンペット)

(タイ、EU、アラブ首長国連邦、中東、アフリカ、中南米)

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