6月の小売売上高、前年同月比19.6%増

(香港)

香港発

2023年08月09日

香港特別行政区政府統計処は8月1日、6月の小売売上高(速報値)を前年同月比19.6%増の331億2,200万香港ドル(約6,061億3,260万円、1香港ドル=約18.3円)と発表した(添付資料図参照)。7カ月連続で前年同月比プラスとなった。

同月の小売売上高のうち、オンライン販売額は前年同月比3.3%減の22億500万香港ドルで、全体の6.7%を占めた。

品目別にみると、増加幅が最大となったのは「宝飾、時計および高級贈答品」で、前年同月比64.3%増の55億5,700万香港ドルだった。次に「衣類、靴および関連製品」が33.1%増の39億3,800万香港ドルと続き、7カ月連続でプラスの伸びを示した。「食品、酒類、たばこ」(注1)は6.6%増の30億1,900万香港ドルの一方で、「燃料」は19.1%減の9億200万香港ドルと、前月に引き続きマイナスとなった。

業態別にみると、「百貨店」は4.2%増の27億600万香港ドルに増加した一方、「スーパーマーケット」(注2)は3.5%減の41億7,000万香港ドルと、7カ月連続のマイナスだった(添付資料表参照)。

香港政府報道官は6月の小売売上高について「観光客の来港と消費者心理が引き続き顕著に改善した」と指摘した。また、今後の小売売上の見通しについては「依然として良好だ。インバウンド観光客も引き続き増加し、労働環境の改善や政府の景気回復のためのさまざまな取り組みによって下支えされるだろう」と述べた。

香港小売業管理協会の執行総監の羅振邦(ボンド・ロー)氏は、6月の小売売上高の数値は「緩やかな改善」にとどまったとし、「改善しているのは前年同月比で、2022年上半期は新型コロナウイルス感染の打撃を受け、観光客がいなかった」と慎重な認識を示した。羅氏は「観光客による消費が増加する一方で、域内居住民の消費は依然として低迷している」と指摘した(「サウスチャイナ・モーニングポスト」紙8月2日)。

(注1)スーパーマーケット以外での売上高。

(注2)百貨店内のスーパーマーケット部門の売上高は含めない。

(横田覚)

(香港)

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