6月の輸出入、3カ月連続で前年同月比2桁減

(香港)

香港発

2023年08月09日

香港特別行政区政府統計処が7月25日に発表した貿易統計によると、2023年第2四半期(4~6月)の貿易額は、輸出が前年同期比13.3%減の1兆18億8,100万香港ドル(約18兆338億5,800万円、1香港ドル=約18円)、輸入が13.6%減の1兆1,218億7,300万香港ドルで、第1四半期(1~3月)に続いて、それぞれ2桁減となった(添付資料表参照)。6月単月では、輸出が前年同月比11.4%減の3,373億5,000万香港ドル、輸入が12.3%減の3,939億2,380万香港ドルだった(添付資料表、図参照)。これで輸出は14カ月、輸入は12カ月連続のマイナスとなった。4月に輸出・輸入ともに2桁減となってから、6月も引き続き2桁減が続いている。6月の貿易収支は565億7,380万香港ドルの赤字で、17カ月連続の赤字となった。

主要国・地域別にみると、6月単月では、最大の輸出先の中国本土が前年同月比13.1%減、米国が22.1%減だったほか、日本向けも16.8%減だった。ASEAN10カ国も12.2%減、そのうちシンガポール(26.2%減)、マレーシア(31.8%減)、フィリピン(15.8%減)の寄与が大きかった。一方、ASEANの中でも最大の輸出先のベトナム(1.5%増)、それに次ぐタイ(2.4%増)は増加した。輸入は6月単月で、欧州27カ国(8.9%増)を除き、中国本土(13.1%減)、ASEAN10カ国(27.0%減)、台湾(9.4%減)、日本(4.7%減)、韓国(5.4%減)など、主要国・地域で軒並み減少した。

香港政府報道官は6月の輸出について「6月は外部環境の悪化が影響し、前年同月比でさらに減少した。中国本土、米国、EU向けはいずれも減少し、他の主要なアジア市場でも、程度の差はあるものの、引き続き減少した」と指摘した。今後の見通しについては「世界経済の成長鈍化により、香港の輸出は短期的には引き続き大きな圧力にさらされるだろう」との見方を示した。

(山口雅史)

(香港)

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