現金の持ち込み・持ち出し上限額を変更

(ラオス)

ビエンチャン発

2023年07月26日

ラオス中央銀行は7月13日付で「ラオスへの現金持ち込み・ラオスからの持ち出しに関する告示(No.14/BOL))を発布し、同国への現地通貨キープや外貨の現金の持ち込み・持ち出しの上限額を1億5,000万キープ相当(約111万円、1キープ=約0.0074円)に引き上げた。

これまでの上限額は、2019年5月30日付「ラオスの口座開設、送金、現金の持ち込み・持ち出しに関する中央銀行合意(No.454/BOL)」で、1億キープ相当とされていた。この変更はキープの為替レート下落に合わせて引き上げられたもので、2019年5月平均の1ドル約8,600キープから、2023年7月には1ドル約1万9,100キープに下落している。

なお、今回の告示(No.14/BOL)は上限額のみを変更するもので、中央銀行合意(No.454/BOL)の規定はそのまま保持されることから、1億5,000万キープ相当を超える持ち込み・持ち出し方法は次のとおり整理される。

〇1億5,000万キープ相当の上限額を超える現金の持ち込み

  • 国境の関税官へ申告し、持ち込み証明書を発行してもらう。

〇1億5,000万キープ相当の上限額を超える現金の持ち出し

  • 中央銀行通貨政策局に申請し、事前許可を取る必要がある。ただし、持ち込み証明書を保有する場合は、証明書の金額以下なら中央銀行への申請は不要で、国境の関税官に証明書を直接提出する。証明書の金額を上回る場合は、中央銀行への申請が必要。

なお、「2023年7月14日付の外貨管理の実施に関する首相命令(No.10/PM)」第1条では、外貨による現金保有が制限され、同制限を超える外貨の現金保有や、その明確な根拠を示すことができない外貨の現金保有は非合法とみなすと規定されている点に留意が必要だ。ただし、外貨現金の保有制限(上限額)については、現時点では明確に規定されていない。

(山田健一郎)

(ラオス)

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