日本など8カ国・地域のITリモートワーカー向けビザ支援プログラムを承認
(チェコ)
プラハ発
2023年07月03日
チェコ産業貿易省は6月29日、外国人就労促進プログラムとして、IT部門におけるいわゆるデジタル・ノマドワーカー向けのビザ発給支援プログラムを新設することを政府が承認したと発表した(プレスリリース)。対象は日本、オーストラリア、カナダ、韓国、ニュージーランド、英国、米国、台湾の8カ国・地域の国民で条件を満たす者とその家族で、ビザ発給申請日から45日以内の発行が保証される。
プログラム対象者は次の(1)、(2)のいずれかに該当する者。
(1)外国企業の被雇用者で、チェコ国内から通信技術を使用してリモートで長期的に業務がこなせる者。この場合、対象者は当該外国企業の被雇用者のステータスのままで、チェコ国内で新たな雇用関係は発生しない。
(2)フリーランス(自営業者):チェコの営業許可取得者、あるいはこれから取得する者。
その他の申請条件は次のとおり。
【(1)、(2)共通】
- 自然科学、技術、工学、数学など職業に適した教育(大学、専門学校)の修了、あるいはIT部門での3年以上の勤務経験を証明できること。
- チェコ労働・社会福祉省が発表する年間平均賃金〔現在48万4,236コルナ(約324万円、1コルナ=約6.7円)〕の1.5倍以上の収入を証明できること。
【(1)のみに適用】
- 当該外国企業の従業員数(外国支社を含む)が50人以上であること。
- プログラム対象者との契約に、通信技術を用いたリモートワークを行う可能性が明記されていること。
本プログラムの申請先は産業貿易省で、採用者には同省が採用決定書を発行する。採用者は、チェコの在外公館が指定した日にビザ発給を申請する。
プログラム採用決定書の有効期間は(1)の場合1年間で、延長することが可能。(2)の場合、期限は設定されていない。
産業貿易省は、当プログラムの意図・目的として、国外のIT専門家によるノウハウの共有、外国人がIT分野で活動しやすいビジネス環境の整備や新型コロナウイルス感染拡大対策で打撃を受けた観光業への支援などを挙げているほか、国内IT企業の繁忙期に対応する短期的な人材プールとしても期待できるとしている。
なお6月28日、政府は既存の就労ビザ発給支援プログラムの1つである高質労働者対象プログラム(注)の国別年間申請受け付け数について、フィリピン(現在2,300人)、モンゴル(1,000人)の2カ国が上限に達したため、それぞれ3,000人、2,000人に引き上げることを決定した。
(注)政令により規定された国の労働者(配管工、機械工など)に対してビザ発給手続きを優先的に進める制度。現在、対象国は上記2カ国を含め10カ国(ウクライナ、ベラルーシに対しては現在申請受け付け停止中)。
(中川圭子)
(チェコ)
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