ヘルツォーク・イスラエル大統領が米議会で演説

(イスラエル、米国、イラン、パレスチナ)

テルアビブ発

2023年07月21日

イスラエルのアイザック・ヘルツォーク大統領は7月19日、米国上下両院合同会議でイスラエル独立75周年を記念する演説外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを行った。演説の冒頭でヘルツォーク大統領は、米国上下両院合同会議に最初に招かれたイスラエルの大統領である、父のハイム・ヘルツォーク氏について言及した。

ヘルツォーク大統領は演説の中で、イスラエルと米国が直面している最大の課題として、イランの核開発問題を挙げた。イランはイスラエルとのいかなる和平手段も求めておらず、イスラエル国家の消滅を公然と企んでいると指摘した。さらに、イスラエルの過去の指導者たちが宣言してきたように、イランが核兵器能力を獲得するのを阻止するためにできることはいかなることでも行うと述べるとともに、イスラエルと米国は、イランの脅威を防ぐために協力する必要があるとした。

また、ヘルツォーク大統領は、イスラエル・パレスチナ問題について、イスラエルとパレスチナが和平を達成することを望んでいるが、パレスチナが暴力を呼びかけ、テロを正当化する中で、和平に向けた話し合いや動きをすることはできないと述べた。

ヘルツォーク大統領は司法改革についても言及し、現在の課題やトラブルは議論に値するが、イスラエルの生存権を問う場はあってはならないと指摘した。その上で、「イスラエルは困難を乗り越えられると信じている」と述べた。

両国はビザ免除に関する覚書に署名

ヘルツォーク大統領の訪米中、大統領の弟で駐米国イスラエル大使のマイケル・ヘルツォーク大使は、トム・ナイデス駐イスラエル米国大使と米国のビザ免除プログラムに関する覚書に署名した。覚書の一環として、イスラエル政府は7月20日からパイロットプログラムを開始し、パレスチナ系やアラブ系の米国人がイスラエルのベングリオン空港から入国できるようになる。これまではイスラエルのベングリオン空港からの空路での入国が認められておらず、隣国のヨルダンから陸路での移動を余儀なくされていた。米国政府は、イスラエル政府のパイロットプログラムの履行状況を検証した上で、イスラエルの米国ビザ免除プログラムへの参加の可否を判断するとしている(「アキシオス」7月19日)。

(ガブリエル・ホドス、中溝丘)

(イスラエル、米国、イラン、パレスチナ)

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