中銀、政策金利を18.75%に引き上げ

(ナイジェリア)

ラゴス発

2023年07月28日

ナイジェリア中央銀行(CBN)は7月25日、基準金利とされる金融政策金利(MPR)の25ベーシスポイント(bps:1%の100分の1)引き上げを発表した。これにより、政策金利は18.75%となり、6カ月連続での引き上げ、22年ぶりの高水準となった。

金融政策委員会(MPC)は7月24日から25日に開催され、CBNは国内経済の見通しを受け、極端なインフレを抑制するため、金利引き上げに踏み切った。また、現金準備率(CRR、注1)を32.5%、流動性比率(注2)を30%に据え置いた。

なお、ナイジェリア統計局(NBS)の発表によると、6月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比22.8%と、2009年以降で最高の上昇率を記録した(2023年7月20日記事参照)。主要食糧生産地での安全保障上の課題や、燃料補助金撤廃に起因するエネルギー価格の上昇などが輸送や生産コストを押し上げたことが主因とされる。現地報道によると、7月25日には通貨ナイラが並行市場(市中両替商)レートで1ドル820ナイラから870ナイラへと急落するなど、インフレへの圧力は依然として高い状態が続いている。

(注1)現金準備率:金融機関が保有する預金のうち、現金として保有すべき比率

(注2)流動性比率:金融機関が保有する負債の合計額に対する流動資産額の割合

(馬場安里紗)

(ナイジェリア)

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