北京市の最低賃金、9月から月額2,420元に

(中国)

北京発

2023年07月25日

北京市人的資源・社会保障局は7月14日、同市の最低賃金基準を9月1日から引き上げると発表した。全日制労働者(正社員)の最低賃金基準が月額2,320元(約4万6,400円、1元=約20円)から100元増の2,420元となる。なお、社会保険(養老保険、医療保険、失業保険、労災保険)と住宅積立金の個人負担分、残業手当、深夜作業や高温、低温、地下、有毒有害物などの特殊な作業環境・条件下での手当などは含まれない。

また、非全日制労働者(パート)の最低時給基準は25.3元から26.4元(法定休日は62元)に引き上げる。この基準には、養老・医療・失業保険料の企業と労働者本人それぞれの負担分が含まれる。

最低賃金基準の調整は「最低賃金規定」で少なくとも2年に1度調整することが義務付けられている。2022年は新型コロナウイルス感染拡大による経済への影響を考慮し、最低賃金の改定を行わなかった(「北京日報」7月15日)。

なお、2023年に入ってから河北省(2,200元)や山西省(1,980元)、貴州省(1,890元)、青海省(1,880元)、安徽省(2,060元)、陝西省(2,160元)、上海市(2,690元)でも最低賃金の改定が行われた(「澎湃新聞」7月5日、注)。

人的資源・社会保障部が3日に公表している中国各省・直轄市・自治区の最低賃金基準(2023年7月1日時点)をみると、最も高いのは上海市(2,690元)で、次いで北京市(2,320元)、広東省(2,300元)、江蘇省(2,280元)、浙江省(2,280元)となっていた。北京市の今回の改定で首位の上海市との差が270元に縮まった。

(注)域内の経済発展水準によって、最低賃金基準を1~4段階で設けるケースが多いが、その場合は最も高い額を記載。

(張敏)

(中国)

ビジネス短信 e3a0f4f34ce0cb89