英国、トルコとの新たなFTA締結に向け交渉開始、鉄道敷設プロジェクトも支援
(英国、トルコ)
ロンドン発
2023年07月26日
英国政府は7月18日、トルコとの新たな自由貿易協定(FTA)の締結に向けた交渉を開始する方針を発表した。
現在、英国とトルコとの間では、EUから継承し2021年1月に発効したFTAがある(2021年1月8日記事参照)。2022年の両国の貿易総額(財、サービス)は前年比30.2%増の235億ポンド(約4兆2,770億円、1ポンド=約182円)で、このうち対トルコ輸出は36.1%増の85億ポンド、トルコからの輸入は27.1%増の150億ポンドだった。歳入関税庁によれば、対トルコ輸出(財)は原動機、非貨幣用金、金属鉱・金属スクラップ、非鉄金属の順で多く、4品目で総額の5割強を占める。トルコからの輸入は道路走行車両、衣類、電子・電気機器の順で多く、3品目で総額の5割弱を占めている(添付資料表参照)。
英国政府は、交渉を通じ、デジタル貿易やサービスといった分野を含めることで両国の現在の経済状況に即した協定にするとしている。
両国政府は同日に共同声明も発表、国際的な通商ルールに基づく自由な貿易環境の支持がこれまでにない重要性を持つことを確認した。
英輸出信用保証局、トルコでの高速電気鉄道敷設を支援
英国の輸出信用保証局(UKEF)は7月24日、トルコ南部メルシンと南東部ガジアンテプをつなぐ高速電気鉄道の敷設プロジェクトに対し、約6億8,000万ポンド規模の融資の引き受けを発表した。UKEFによれば、英国のサプライヤーの参画を条件としている。UKEFは、同プロジェクトを通じて、トルコの二酸化炭素の排出削減につながるほか、英国のインフラ、エンジニアリング、プロジェクト管理関連の企業にとって機会を創出できるとしている。また、ガジアンテプについては、2月の地震による影響を受けた地域であることも踏まえ、同地域の復興に寄与できるとした。
(山田恭之)
(英国、トルコ)
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