国内最大級のLNG輸入ターミナルの投資計画承認、中部沿岸地域ビントゥアン省

(ベトナム)

ホーチミン発

2023年07月25日

ベトナム中部沿岸地域ビントゥアン省の人民委員会は7月11日、国内最大規模となる液化天然ガス(LNG)ターミナルの投資計画を承認した。同ターミナルは2027年に商業運転を開始する見通しと複数の現地紙が伝えた。

同LNGターミナルはビントゥアン省ハムタン郡ソンミー地区に建設される。投資総額は13億4,000万ドルで、ベトナム国営石油ガス会社ペトロベトナムガス(PVガス)と米国エネルギー会社AESの合弁事業となる。投資プロジェクトには、LNG輸入港の整備が含まれ、規模は3,500ヘクタールを超える。

第1期として2027年までに年間360万トンのLNGを受け入れられる設備を整備する。第2期は2030年までに受け入れ能力を年間600万トンに高める計画だ。輸入するLNGは主に隣接するソンミー第1、第2火力発電所(注)に供給する予定だ。

ベトナム政府は2021~2030年の電力開発指針「第8次国家電力開発基本計画(PDP8)」で、2030年までは再生可能エネルギーやLNGによる発電の開発に注力する方針を立てており(2023年5月30日記事参照)、ビントゥアン省での同LNGターミナルの開発はその一端を担うものとなる。なお、同省内には現在、水力、石炭火力、風力、太陽光などを含めて発電所が計48カ所〔計6,794メガワット(MW)〕ある(「サイゴン・タイムズ」7月13日付)。

(注)ソンミー第1、第2火力発電所〔計4,500メガワット(MW)〕は2027年に稼働予定。

(児玉良平)

(ベトナム)

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