発展が期待される中国の「預制菜」市場

(中国)

青島発

2023年07月20日

中国国営メディア「人民網」の研究機関「人民網研究院」は711日、「預制菜業界発展レポート外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した。このレポートでは、2022年の中国の「預制菜」(注)の市場規模が4,196億元(約79,724億円、1元=約19円)に達し、2023年に5,165億元、2026年には1720億元に達する見込みとした。また、2022年の預制菜関連の企業数を省別で見ると、山東省が8,654社で最多、次いで広東省(6,700社)、河北省(5,209社)、河南省(4,562社)、湖南省(4,141社)、安徽省(4,071社)、福建省(3,951社)、江蘇省(3,374社)、吉林省(3,333社)、四川省(3,104社)と続いた。山東省政府は20221116日、「全省預制菜産業の質の高い発展の推進に関する意見外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表し、2025年までに山東省の預制菜関連の企業数を1万社超とし、産業チェーン全体の生産額を1兆元超とする目標を示した。この達成に向け、預制菜に係る産業チェーンの強化や、多方面の市場開拓、標準体系の構築、イノベーション能力の向上、支援・保障の強化を掲げ、16項目の具体的な措置を挙げた。

レポートでは、預制菜業界の発展のトレンドと展望として、政策的な後押しによる質の高い発展へのモデルチェンジ、技術イノベーションによる製品の多様化・差別化などが挙げられた。また、提言として、政府に対しては標準体系を構築した上での地域産業レイアウトの計画、企業に対しては食品の安全を保障した上での消費者満足度の向上を示した。

(注)「預制菜」とは、あらかじめ加工・調理された食品を指し、包装後に直接または簡単な調理のみで食べることができる、日本での惣菜や半加工食品、調理済み食品などを指す。

(赤澤陽平)

(中国)

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