モルドバ政府、ロシア外交官らの国外退去を要請

(モルドバ、ロシア)

ブカレスト発

2023年07月28日

モルドバ外務・欧州統合省は7月26日、駐モルドバのロシア連邦大使を召致し、同大使館の外交官、技術・事務職員について、8月15日までに国外退去するよう求めた(7月26日付発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

外交官22人と職員23人の計45人が国外退去の対象となる(「ディスキデMD」7月26日)。外務・欧州統合省は、外交関係に関するウィーン条約(1961年4月18日付)第11条に規定された両国における相手国の大使館員数を同数にするという原則に基づき、在ロシア大使館、在モルドバ大使館と同数の外交官10人、職員15人とすることを求めた。

同省は、今回の措置はロシアのモルドバに対する外交とは無関係の度重なる非友好的な行動、かつモルドバ社会の不安定化の試みに対するものだと説明した。

これに先立つ24日には現地メディアなどが、ロシア大使館や近隣の外交官宅の屋上に諜報(ちょうほう)用と見られる衛星アンテナや伝送装置が増加するなど、諜報活動が活発化していると報じていた(「ジャーナルTV」「インサイダー」7月24日)。これに関して翌25日、モルドバ外務・欧州統合省はロシア大使に説明を求めていた。

ロシアのウクライナ侵攻開始後、モルドバとロシアの関係は緊迫している。2023年2月にはマイア・サンドゥ大統領がロシアによるモルドバ政府転覆計画を公表し、関係国家機関と国民に警戒を呼びかける事態となっていた(2023年2月22日記事参照)。

一方のロシアは7月26日、外務省のマリア・ザハロワ報道官が記者会見で、今回の措置は2国間関係の破壊に一歩を踏み出すもので、不公正で非友好的な行動に対して黙ってはいないと述べた。

(高崎早和香)

(モルドバ、ロシア)

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