フォックスコン半導体製造の新パートナー候補にTSMC、TMHなど浮上

(インド)

アーメダバード発

2023年07月19日

7月10日に半導体製造事業でのベダンタとの合弁解消を発表したフォックスコンは、新たなパートナーとの連携によってインドでの半導体製造にとどまるとしている。同社はインド政府に対して「修正インド半導体プログラム」に基づく補助金申請を再提出する予定で動いていると伝えられているが、新たな提携先は明らかにしていない(2023年7月14日記事参照)。

地元メディアは、同社はインドに半導体製造工場を設立するのに必要な技術について、世界的な大手半導体メーカーの台湾積体電路製造(TSMC)や、日本のTMHとの提携を協議しているのではないかと報じている(7月14日「ビジネス・トゥデー」紙)。

TSMCの製品は高性能コンピュータ、スマートフォン、モノのインターネット(IoT)、自動車、デジタル家電を含むさまざまなエンド・マーケットを網羅している。TSMCの2022年実績によると、同社は532の顧客に対して、さまざまなアプリケーション向けに1万2,698点の製品を製造したとされる。また、同年のTSMCと子会社の製造施設の半導体の年間生産能力は、12インチウエハー換算で1,500万枚を超えたという(同社HP)。一方、TMHは大分市に本社を置く半導体製造装置・パーツの販売・運用・保守、関連ソリューションを提供している。

合弁事業の解消前の段階でベダンタ-フォックスコン合弁企業(VFSL)は、政府の補助金申請に必要な半導体製造技術を有する連携相手として、STマイクロエレクトロニクスやグローバル・ファウンドリースと協議していると言われていた。合弁解消後、フォックスコンは新たな半導体製造計画に、あらためてこれら2社を参加させる可能性があるのではないかとも報道されており、新たな事業の仕切り直しに向けては、インド企業のみならず、グローバル企業も視野に入れた提携協議を水面下で進めているもようだ(7月14日「ビジネス・トゥデー」紙)。

一方、合弁解消が発表された2日後の7月12日に、ベダンタグループの第58回年次株式総会がオンラインで開催された。同グループのアニル・アガルワール会長は説明で、インドでの半導体製造事業にとどまることをあらためて強調し、「政府の承認が得られれば、今年度中に半導体とディスプレー製造の進出を開始する」と述べた。さらに、既に半導体製造事業のパートナー企業を選定していると報告したものの、具体的な企業名は明らかにしていない(7月12日「ビジネス・トゥデー」紙)。

(古川毅彦)

(インド)

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