広汽トヨタ、テンセントと戦略的提携の締結発表
(中国)
広州発
2023年07月25日
中国の広州汽車とトヨタ自動車の合弁企業の広汽トヨタ(本社:広東省広州市)は7月15日、中国デジタル大手テンセントと、デジタルエコシステムに関する戦略的協力の枠組み協定を14日に締結したと発表した。
発表によると、今回の協定により、広汽トヨタとテンセントの双方は先進的なクラウドのプラットフォームとソリューションを共創することで、広汽トヨタの営業やサービスなどの業務をクラウド上で行うことを加速し、高品質のデジタルトランスフォーメーション(DX)を保証する。同時に、両社はそれぞれのセキュリティー分野の深い技術と経験に基づき、自動車産業のクラウド、情報伝達のパイプライン、端末をカバーする立体的なセキュリティー保護システム構築の可能性を模索し、クラウド上のセキュリティー防衛ラインの構築に協力して取り組む。
また、双方はテンセントのデジタルコックピットシステム(注)に基づき、コックピットの応用シーンや、ユーザーへのビジネスモデルを発掘し、より多くのユーザーへのアプローチを行う。将来的には、広汽トヨタとテンセントは新たなデジタル人材を育成し、科学技術分野の検討、協創などの方面でさらに協力を深め、自動車産業システムのスマート化・デジタル化に貢献することを目指すとした。
広汽集団の2023年1~6月の全体の販売台数は前年同期比1.1%増の116万3,022台だった。うち広汽トヨタは9.5%減の45万2,800台と、同グループのブランド別では最も多い販売台数を誇るものの、前年同期比減となっている。
(注)デジタルコックピットとは、自動車の操作全般がデジタル化された運転席周りの空間を指す。モノのインターネット(IoT)やクラウド、人工知能(AI)の技術が搭載され、ネットワークと接続することで、従来のコックピットでは分散されていた機能を総合的に接続することができる。
(田中琳大郎)
(中国)
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