華菱鋼鉄が電磁鋼板増産に1,195億円投資、NEV向け需要増

(中国)

上海発

2023年07月14日

中国の湖南華菱鋼鉄は7月7日、電磁鋼板の増産を行う2期目のプロジェクトを発表した。当プロジェクトは傘下子会社の湖南漣鋼電磁材料を通じて行われ、総額59億7,700万元(約1,195億円、1元=約20円)を投じ、湖南省婁底市に生産拠点を設置する。前期では、20億6,600万元を投じ、年間で8万トンの方向性電磁鋼板(注)を生産する計画で、2023年7月に着工し、18カ月の工期を予定している。後期では、39億1,100万元を投じ、生産能力は年間で方向性電磁鋼板22万トン、無方向性電磁鋼板40万トンにのぼり、2024年9月に着工し、工期は15カ月を予定している。

1期目プロジェクトについては前期、後期に分けて行われ、無方向性電磁鋼板の年間生産能力は前期と後期それぞれ20万トンの計画だ。前期はすでに2023年6月30日に操業を開始し、後期は2024年12月に操業を開始する予定だ。

ほかにも、上海宝山鋼鉄は2023年3月、電磁鋼板の生産ラインをリニューアルし、世界初の新エネルギー車(NEV)専用の無方向性電磁鋼板生産ラインが完成した。稼働すれば、電磁鋼板の年間生産能力は400万トンに拡大し、うち無方向性電磁鋼板は世界最大の100万トン超となり、毎年NEV400万台分の需要に応えられるという。

鉄鋼情報サイト「我的鋼鉄」によると、2030年までに中国の電磁鋼板の需要は年平均22.5~25%伸びる見通しで、うちNEV向け電磁鋼板の需要量が2030年に450万トンまで拡大すると予測している(「我的鋼鉄」2023年2月1日)。

(注)電磁鋼板には、変圧器などに使われる方向性電磁鋼板と、NEVの駆動モーターや家電用品のモーターなどに使われる無方向性電磁鋼板に大別される。

(劉元森)

(中国)

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