カルナータカ州新政権下で酒類にかかる追加物品税を引き上げ

(インド)

ベンガルール発

2023年07月28日

インド南部のカルナータカ州で、5月に実施された同州議会選挙により誕生した国民会議派(INC)政権(2023年5月16日記事参照)が新2023/2024年度予算外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(2023年4月~2024年3月)を発表、8月1日から施行される。歳出総額3兆2,774億ルピー(約5兆5,716億円、1ルピー=約1.7円)のうち、年間5,200億ルピーは新政権の目玉となる以下の5つの政策に充当される。

  1. 女性や性的マイノリティーに対して州営バスの無償化
  2. 200ユニットを上限に電気代の無償化
  3. 女性が家長の世帯に対して月当たり2,000ルピーの補助
  4. 貧困世帯に対して月当たり10キロの穀物の配給
  5. 条件を満たす失業者に対して、月当たり3,000ルピーの手当の支給

これらにより、年間1,300万世帯が恩恵を受ける見込みだ。

なお、2022/2023年度の歳出総額である2兆8,965億ルピーから、約13%増となった今年度の歳出額を賄うための施策の1つとして、インド産酒類にかかる追加物品税(AED)を20%、ビールについては10%幅(175%→185%)引き上げた。これらの引き上げによって、前年度比700億ルピー増となる3,600億ルピーのAEDによる税収が見込まれる。現在カルナータカ州で、170ルピーで販売されている650ミリリットルのビールは、新税制適用後には187ルピーとなり、210ルピーと190ルピーで販売されているタミル・ナドゥ州とデリーに次いで、最大小売価格がインド全土で3番目に高くなる。この事態に対してインド国際スピリッツ・ワイン協会(ISWAI)は、AEDを合理化し、近隣州と同様に酒類の最大小売価格を引き下げるよう、州に対して要求している。カルナータカ州政府の一部からも、より安価な他州から酒類を購入する非公式取引の増加を危惧する声が上がっている。

(大野真奈)

(インド)

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