三菱商事、欧州にグリーン水素事業の新会社設立

(オランダ、日本)

アムステルダム発

2023年07月04日

三菱商事(本社:東京都千代田区)は6月22日、子会社のオランダ総合エネルギー事業会社Enecoとともに、欧州の再生可能エネルギー開発とグリーン水素の製造・販売を行うことを目的としたEneco Diamond Hydrogenの設立を発表した。

三菱商事は「中期経営戦略2024」で、エネルギートランスフォーメーション(EX)を1つの柱と定めており、幅広い業種でのカーボンニュートラル(炭素中立)社会の実現に向けたソリューションを提供している。新会社では、三菱商事の持つ石油、化学、鉄鋼、海運のネットワークを活用し、今回の件でも、オランダを起点として欧州でのグリーン水素製造・販売に注力する。

Enecoは、オランダの電力・ガス・熱併給を行う総合エネルギー会社で、2020年3月に三菱商事と中部電力が買収。日本企業が海外の電力会社を経営する初のケースとして注目を集めてきた。買収後も再生可能エネルギー事業開発を拡大しており、水素関連事業にも力を入れてきた。

Eneco Diamond Hydrogenでは、2024年3月末に予定されるオランダの次期大型洋上風力発電プロジェクトの入札に取り組む予定としており、三菱商事はEneco Diamond Hydrogenを通じて獲得した知見を米国や日本を含むアジア各国へも展開し、今後の事業へ生かす方針としている。

(望月竜之介)

(オランダ、日本)

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