5月の失業率は3.6%、就業者数は過去最多の1,400万人超

(オーストラリア)

シドニー発

2023年07月03日

オーストラリア統計局(ABS外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます615日、5月の雇用統計を発表し、失業率(注)が3.6%だったと明らかにした。前月から0.1ポイント上昇した。失業率は20226月から12カ月連続で、1974年以来48年ぶりの最低水準が続いている。労働市場は逼迫しており、企業の採用難が続いている。

就業者数は前月比で75,900人増加し(0.5%増)、1,4011,800人で、初めて1,400万人に達した。前年同月比(季節調整前値)では、就業者数は426,600人増加(3.1%増)だった。不完全雇用率は前月から0.3ポイント増加し、労働力の未活用率は0.2ポイント増の10.0%だった。

失業率を州別にみると、タスマニア州4.2%(前月比0.3ポイント上昇)、西オーストラリア州3.7%(同0.1ポイント上昇)、首都特別地域2.9%(同0.1ポイント上昇)で上昇した。一方、ニューサウスウェールズ州3.0%(同0.4ポイント低下)、西オーストラリア州4.0%(同0.3ポイント低下)、ビクトリア州3.7%(同0.2ポイント低下)、北部準州3.1%(同0.2ポイント低下)で低下した。

中銀、2024年後半に失業率4.5%へ上昇と予想

オーストラリアではインフレが続いており、オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は6月の理事会で政策金利を0.25ポイント引き上げて4.10%とした。RBAは、インフレ率は2025年半ばに目標圏内(23%)に戻ると予測している。また、失業率は2024年後半には4.5%に上昇するとしている。これは、新型コロナウイルス流行前よりも低い水準ではあるものの、インフレを食い止めつつ、完全雇用を達成するというRBAの目標からは乖離のない水準と分析した。

(注)就業者数の前年同月比の値を除き、全て季節調整済みの数字。

(青島春枝)

(オーストラリア)

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