第1四半期のGDP成長率、2期連続で前期比マイナスに
(ニュージーランド)
シドニー発
2023年07月03日
ニュージーランド統計局は6月15日、2023年第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率が前期比マイナス0.1%(季節調整済み)と発表した。2022年第4四半期(10~12月)に続いて2四半期連続のマイナス成長となった。前年同期比では2.9%増だった。2023年1月から2月にかけてサイクロンが発生し、特に農産品(野菜や果物などの園芸作物)や輸送サービス業にマイナスの影響を及ぼした。
製造業は前期比1.1%減で、5四半期連続のマイナス成長だった。農林水産業は3四半期連続(同0.7%減)、輸送・倉庫業も2四半期連続(同2.2%減)のマイナス成長となった。専門・科学技術・管理・ビジネスサービス業は前期の3.4%増から3.5%減に縮小し、全業種の中で最も大きい落ち込みとなった。教育・訓練サービス業も前期の0.9%増から同1.9%減に縮小するなど、各部門で低迷した。一方、情報メディア・通信業は同2.7%増(前期は同0.7%減)とプラスに転じ、不動産・賃貸業は同0.7%(前期は0.1%増)と成長が加速した。
グラント・ロバーソン財務相は、2023年第1四半期はこれまで発生した中で2番目に大きいサイクロンに見舞われたが、GDP成長率はマイナス0.1%とわずかな減少に持ちこたえたと説明した。また、2四半期連続のマイナス成長という今回の結果は景気後退の定義に合致するが、失業率が歴史的に低いことなど、ニュージーランド経済の回復力によって、景気後退による影響は避けられるだろうと述べた。
(青島春枝)
(ニュージーランド)
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