インドネシア・オーストラリア首脳会談、気候変動やEVで協力強化

(インドネシア、オーストラリア)

ジャカルタ発

2023年07月11日

インドネシアのジョコ・ウィドド大統領は7月4日、オーストラリア・シドニーで行われた両国首脳会談に出席した。

会談では、気候変動に関する両国の連携や人の移動について話し合いが行われた。気候変動問題では、オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相が、気候変動に対応する民間資金をインドネシアに呼び込むため、5,000万オーストラリア・ドル(約47億5,000万円、豪ドル、1豪ドル=約95円)拠出すると発表したほか、インドネシアのエネルギートランジションを支援するため、両国の公社・国有企業による2億米ドル規模の資本融資制度を創立する計画を支持した。また、両首脳は、脱炭素化に向けた世界的な電気自動車(EV)化の中、両国のビジネス機会についても議論し、EVに関する具体的な連携・協力を組成するよう両国政府高官に指示した(7月4日オーストラリア首相府プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

その他、両国間のビジネス・観光目的の往来に関する査証の改善や、技術専門家の相互認定、両国の包括的経済連携協定(IA-CEPA)下の新たな技能交流についての支援などを議論した。また、ウェスタン・シドニー大学、セントラル・クイーンズランド大学などのオーストラリアの教育機関がインドネシアにキャンパスを開設する意向も確認し、両首脳が歓迎した。

EVバッテリー製造や鉱物資源に関しては、首脳会談と同じ7月4日、インドネシア商工会議所と西オーストラリア州政府の間で、両国・地域の連携についての具体的なアクションプランへの署名が行われた。インドネシアの駐オーストラリア大使のシスウォ・プラモノ氏は「オーストラリアはリチウムのサプライヤーとなり、インドネシアはニッケルのサプライヤーとなる。これらの重要鉱物セクターで大きなチャンスを開くことができる。」とした(7月4日インドネシア経済担当調整府プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

今回の3日間の訪問で、ジョコ大統領は首脳会談のほか、オーストラリアの投資家を招いた意見交換会も実施した。同大統領は「インドネシアは豊富な資源、人口ボーナス、巨大な国内市場、経済・政治の安定などから、投資先として高いポテンシャルのある国」とし、EVバッテリー産業の発展に向けた協力や再生可能エネルギーなどの分野の積極的な投資を呼びかけた(7月4日アンタラ通信)。

(尾崎航)

(インドネシア、オーストラリア)

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