英国、バーレーンと戦略的投資・協力パートナーシップに合意、UAE、イラクとも会談

(英国、バーレーン、アラブ首長国連邦、イラク)

ロンドン発

2023年07月10日

英国のリシ・スナク首相は7月3日、バーレーンのサルマン・ビン・ハマド・アール・ハリーファ皇太子兼首相と会談、新たな戦略的投資・協力パートナーシップに署名した。同パートナーシップでは10億ポンド(約1,830億円、1ポンド=約183円)を超えるさらなる対英投資の促進や、バーレーン経済の多様化支援、クリーン技術、ビジネスサービス、製造業分野での協力関係を強化することを目的としている。

両者は会談でウクライナ情勢についても議論、ロシアの侵攻による国際社会の安定と規範への脅威を確認した。また、中東地域の安定性を脅かすイランの行動に対しては、団結して対処する重要性に合意した。

両国間の2022年の財・サービスの貿易総額は31億ポンドと、前年比93.5%増で、英国からの輸出額は7億6,300万ポンド、バーレーンからの輸入額は23億ポンドだった。また、バーレーンの対英直接投資残高は2021年時点で10億ポンドとなっている。

また、スナク首相は7月5日にアラブ首長国連邦(UAE)のムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン大統領と電話会談し、両国間の防衛や通商パートナーシップを発展させるというコミットメントをあらためて表明した。国際安全保障に関しては、ロシアのウクライナ侵攻とイランの脅威を議論、軍事協力と情報共有を含む両国の防衛・安全保障関係の重要性を強調した。両国は5月15日にも初の戦略対話を実施。両国は11月にドバイで実施される国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)に向けて、目標の引き上げや実行の重要性を再確認した。また、貿易・投資の関係性やエネルギーパートナーシップを歓迎したほか、アフガニスタン情勢に係るUAEのリーダーシップを賞賛、スーダン、シリア、イエメンに関する議論を含め、中東地域の平和と繁栄の実現に関して議論した。

また、イラクとの間でも7月3~4日に戦略対話を実施して共同コミュニケを発表。同会談を通じて両国は2国間関係を強調し、イラクの経済改革や貿易、気候・環境、防衛・安全保障、移民・組織犯罪、健康、人権などについて協力することで合意した。

(チャウジュリー・クリシュナ)

(英国、バーレーン、アラブ首長国連邦、イラク)

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