広東省長がシンガポールとタイを訪問、協力関係を強化

中国広東省の王偉中省長が率いる広東省代表団が6月24～27日にシンガポール、27～30日にタイを訪問し、ビジネスイベントに出席した。

シンガポールのローレンス・ウォン副首相兼財務相との会談で、王省長は経済・貿易・投資や、先進製造業、スマートシティー、デジタル経済などの分野の協力を深めることを呼びかけた。ウォン副首相兼財務相は、シンガポールが広東・香港・マカオグレーターベイエリア（粤港澳大湾区）の建設に積極的に参加し、双方の実務的協力を深め、ウィンウィンの発展実現に努めると述べた。

王省長は広東・シンガポール協力理事会（注）の共同主席でもあるため、シンガポール訪問期間中に開催された同理事会の第13回会議に出席した。会議では、両国間の協力を強化するため、経済貿易投資や、ハイエンド製造、デジタル経済、金融サービス、知的財産権、人材育成などの分野で21項目の協力協定・覚書を締結した。

また、訪問期間中に開催された中国（広東）・シンガポール経済貿易協力交流会では、エネルギー・化学工業、サプライチェーン、新素材、金融、科学技術、文化観光などの分野で協力プロジェクト32件、合計投資額260億元（約5,200億円、1元＝約20円）を達成したことが発表された。

タイ訪問中には、ドーン・ポラマットウィナイ副首相兼外相、スパタナポン・パンミーチャウ副首相兼エネルギー相との会談で、王省長は経済貿易投資、園区建設、グリーンエネルギー、現代農業、文化観光などの分野の協力深化を呼びかけた。ドーン副首相兼外相、スパタナポン副首相兼エネルギー相は、大湾区と東部経済回廊（EEC）の協同発展に力を入れ、再生可能エネルギーや新エネルギー車、テクノロジーイノベーションなどの分野の連携強化に期待を示した。

タイ訪問中に開催された2023中国（広東）・タイ経済貿易協力交流会では、両国の企業家ら200人に上る関係者が参加し、産業パークの共同建設、新エネルギー車、バイオ医薬、物流輸送、貿易調達などの分野で協力プロジェクト10件、合計105億元の合意に至ったことが発表された。王省長の発表によると、タイは広東省にとってASEANで3番目に大きい貿易相手国で、2022年の広東省とタイの輸出入貿易額は2,202億元に達し、両国間の貿易総額の約4分の1を占めている。

（注）広東・シンガポール協力理事会は、2009年3月に広東省とシンガポールが共同設立した双方の協力を促進するための組織。広東側の秘書処は広東省外事弁公室に、シンガポール側の秘書処はエンタープライズ・シンガポール（ESG）に設置されている。

（汪涵芷）