ヘルツォーク・イスラエル大統領が訪米、国内では大規模デモ

(イスラエル、米国、イラン)

テルアビブ発

2023年07月19日

イスラエルのアイザック・ヘルツォーク大統領は718日、米国の首都ワシントンを訪問し、ジョー・バイデン大統領と会談した。

ホワイトハウス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、両首脳はイランの核兵器保有を阻止するための連携強化や、イランがロシアとの防衛提携を拡大していることなどについて協議したとしている。また、両首脳は共有する民主的価値観の基盤に基づく両国関係の強さに言及したとしている。イスラエルの国会に相当するクネセトで現在審議が行われている司法改革(2023年7月12日記事参照)に関しては、コンセンサスに基づくアプローチの必要性について議論したとしている。両首脳はそのほか、気候変動やパンデミック、食糧不安といった共通のグローバルな課題に対する技術ベースの解決策を開発するための継続的な協力について議論したという。

バイデン大統領は「米国のイスラエルに対するコミットメントは固く、鉄壁だ」と述べた。ヘルツォーク大統領は「イスラエルの民主主義は健全で、強く、強靭(きょうじん)だ」と強調した上で、「私たちは苦悩を経験し、激論を交わし、困難な局面を迎えているが、この危機から適切に脱出し、解決策を見いだすために、国民とともに追求していく」と述べた。

一方、イスラエル国内では同日、司法改革法案に対する抗議デモがエルサレムやテルアビブを中心に全国各地で行われた。テルアビブでは、イスラエル労働組合連盟のヒスタドルート事務所前での抗議から市庁舎、ラビ裁判所に向かうデモ行進が行われた。この29週間、テルアビブで抗議デモの中心地となっていたエリエザー・カプラン通りでは、警察が朝から交通規制を行って警戒を強めたため、午前中は閑散としていたが、午後から深夜にかけて大規模な抗議デモが行われた。

写真 閑散とするエリエザー・カプラン通り(現地時間7月18日午前10時15分、ジェトロ撮影)

閑散とするエリエザー・カプラン通り(現地時間7月18日午前10時15分、ジェトロ撮影)

写真 大規模デモが行われるエリエザー・カプラン通り(現地時間7月18日午後9時30分、ジェトロ撮影)

大規模デモが行われるエリエザー・カプラン通り(現地時間7月18日午後9時30分、ジェトロ撮影)

(中溝丘、ガブリエル・ホドス)

(イスラエル、米国、イラン)

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