米ニューヨーク州都市交通局、利用料の値上げを発表

(米国)

ニューヨーク発

2023年07月21日

米国ニューヨーク(NY)州都市交通局(MTA)は7月19日、有料道路の利用料および地下鉄やバスなどの乗車料金を値上げすると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。有料道路の利用料は8月6日から、地下鉄、バス、スタテンアイランド鉄道、パラトランジット(障がい者などのための送迎サービス)の乗車料金は8月20日から、それぞれ値上げされる。

橋やトンネルなど有料道路の料金は、車種や場所によって異なるが、値上げ率は10%となっている。一方、イージーパス(E-ZPass、注)の利用者に対する値上げ率は6%に抑えられている。

地下鉄やバスなどで利用可能なメトロカードは、7日間乗り放題で34ドル(1ドル増)、30日間乗り放題で132ドル(5ドル増)に値上げされる。また、メトロカードを利用して乗車する場合の料金は1回当たり2.90ドル(0.15ドル増)、1回利用の乗車券を購入して乗車する場合の料金は3.25ドル(0.25ドル増)となる。急行バスは7ドル(0.25ドル増)に値上げされる。このほか、マンハッタンからニューヨーク市外に伸びるロングアイランド鉄道とメトロノース鉄道もそれぞれ値上げされる一方で、2022年2月から両鉄道で導入された割引については、引き続き適用される。

MTAは利用料の値上げについて、新型コロナウイルスの感染拡大以前から2年に1度実施していたと説明している。一方、MTAはNY州からの資金援助により、2021年は利用料の値上げを見送ることができ、今回も同州の追加資金により、5.5%の値上げが予定されていたところ4%に収まったと補足している。

MTAの発表によると、橋やトンネルの利用者数は、新型コロナ禍前の水準と同等あるいはそれ以上に回復している。また、地下鉄、バス、鉄道など公共交通機関の有料乗車率は、2027年までに新型コロナ禍前の80%まで回復することが見込まれている。

(注)日本のETCに類似した有料道路の電子料金徴収システム。

(吉田奈津絵)

(米国)

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