電動車市場は2030年までに200億ドル超との予測

(インドネシア)

ジャカルタ発

2023年07月12日

インドネシアの電動モビリティーエコシステム協会(AEML)と、地場ベンチャーキャピタル企業ACベンチャーズは7月3日、「インドネシアの電気自動車(EV)の見通し」と題したレポートを共同で発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、2030年までに二輪を含む電動モビリティーの市場規模が200億ドルを超えると予測した。

同レポートでは、インドネシアの電動モビリティー市場は2030年までに年平均成長率58.5%という急激な成長を遂げる可能性を秘めていると予測している。バッテリーリサイクル分野については、電動モビリティー産業がまだ発展途上であることや、現在のバッテリーの平均寿命が10年程度ということから、2030年までにはそれほど市場規模が拡大しないだろうとの見方を示している。

5月の自動車販売台数は1,561台、2023年内のこれまでの月別最高を更新

インドネシア自動車製造業者協会(ガイキンド)が発表した自動車統計によると、インドネシアのEV販売台数(卸売り)は前月比21.5%増の1,561台で、2023年のこれまでの月別最高を更新した。政府が2023年末まで国産化率40%を超える特定のEV購入に対して、付加価値税を通常の11%から10ポイント減免して1%とする措置を開始したことが要因とみられる(2023年4月6日記事参照)。

現在、インドネシアの市場で販売されているEVで上記の条件を満たす車種は、韓国・現代自動車の「Ioniq5」と中国・上汽通用五菱汽車(SGMW)の「Air EV」の2車種のみとなるが、販売台数はIoniq5が918台(前月比28.2%増)、Air EVが455台(前月比1.1%増)で、上位を占める結果だった。

また、EV普及には充電所などインフラ設備も重要で、インドネシアの自動車部品最大手アストラ・オートパーツは7月5日、EV充電施設関連事業に参入することを明らかにしている。

一方で、同社取締役のワニー・ウィジャヤ氏は「今のところ、インドネシアのEV普及台数はそれほど多くない。自動車部品メーカーとしては完成車メーカーのEV投入が活発化することを待っている段階だが、EV普及には比較的高価なEVの価格を下げるため、政府のさらなる支援が必要だ」と述べた(「ビスニス」7月6日)。

(八木沼洋文)

(インドネシア)

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