ジェトロ、武漢市で自動車産業交流会を開催

(中国)

武漢発

2023年07月04日

ジェトロは628日、中国湖北省武漢市で「中国湖北-日本自動車産業交流会」(以下、交流会)を開催した。交流会は、湖北省商務庁および経済情報化庁、三菱UFJ銀行(中国)との共催で行われた。交流会には、湖北省に製造拠点を有する中国自動車関連メーカー(以下、中国メーカー)48社(注1)と、中国に進出する日系自動車部品メーカー(以下、日系メーカー)63社が参加した。

交流会では、日中双方に参加企業リストや企業概要などを事前共有し、中国メーカーが指定のテーブルに着席。日系メーカーが自由に中国メーカーのテーブルを回る「逆見本市」(注2)の形式で実施した。

日系メーカーは販路の多様化を目指す

ゼロコロナ政策が事実上終了した2023年以降、中国では完成車の輸出が好調な一方、国内市場では、新エネルギー車を除き、自動車販売が伸び悩んでいる。日系の完成車メーカーも一部で販売低迷に直面しており、受注が減少する日系メーカーも少なくない。交流会に参加した日系メーカーの多くは販路の多様化を目的としており、「これまで付き合いのなかった多くの中国メーカーと交流できる良い機会となった」「今後のビジネスや情報交換につながる中国メーカーとのネットワークづくりができた」と、交流会を評価する日系メーカーの声が多く聞かれた。

交流会には中国メーカー48社が参加したことから、中国メーカーも日系メーカーとの交流に高い関心を持っていることがうかがえた。中国メーカーからは「日系メーカーとの関係を築く良い機会となった」「日系メーカーが製造する競争力のある製品を自社製品にも取り入れたい」「今後も交流会には継続的に参加をしたい」といった前向きな声が聞かれた。

交流会に多くの中国メーカーが参加した背景には、湖北省商務庁による積極的な協力があった。同省商務庁は省内の各市政府と協力し、広く地場の自動車関連企業に対して交流会の紹介を行った。同省商務庁の関係者は「湖北省とジェトロは20233月にMoU(覚書)に署名し、日系企業と湖北省企業間の交流・協力を促進することで一致した。今後とも日系企業の湖北省でのビジネス拡大に協力していきたい」と前向きな姿勢を示した。

写真 交流会の様子(ジェトロ撮影)

交流会の様子(ジェトロ撮影)

写真 交流会での商談の様子(ジェトロ撮影)

交流会での商談の様子(ジェトロ撮影)

(注1)長城汽車や吉利ロータス、上海GM、嵐図汽車などの完成車メーカー15社、また諾博汽車部品、東風カミンズ発動機、東風広州華智汽車部品などの自動車部品メーカー33社が参加した。

(注2)技術や製品を買いたい側が出展し、来場者が売りたい側として提案を行う商談。

(佐伯岳彦)

(中国)

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