タイ中銀の5月経済金融報告、経済は回復を維持

(タイ)

バンコク発

2023年07月07日

タイ中央銀行(BOT)は630日、5月の月例経済金融報告外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。それによると、5月のタイ経済は引き続き回復を維持した。民間支出は消費、投資の両面から増加、旅行者数は前月比で増加を継続し、財輸出(金を除く)も工業生産に連動して前月比で伸張した。

工業生産指数は前年同月比で3.1%減だが、前月比(注)3.1%増となり、前月からは持ち直した。特に食品・飲料、家電製品が貿易相手国からの需要が増加したことから、前月から増加した。

需要面については、民間消費指数が前年同月比7.3%増、前月比1.5%増となった。非耐久財、特に消費財の消費が増加した。これは一時的な要因によるものでもあるとしており、前月分の国家福祉カードを通じた支給がずれ込んだことや、大型連休があったことなどを挙げた。民間投資指数は前年同月比は2.2%増、前月比は5.4%増だった。

財輸出(金を除く)は前月比で0.6%増、前年同月比は5.9%減だった。特に自動車、農産加工品、家電製品などで、貿易相手国の需要が高まったことから、前月から拡大。他方、農産物は、特にドリアンの生産量減少に連動して輸出が減少したことから、前月比で大きくマイナスとなった。

5月の外国人観光客数は2013,900人で、前月比では4.3%増加した。特に欧州(ロシアを除く)、日本からの旅行者が増加した。中国からの観光客数は前月から横ばい。他方、インド、マレーシアからの観光客はこれまでの加速の反動から減少した。

なお、世界銀行は628日、2023年のタイ経済は個人消費の伸びと観光業の回復により3.9%成長するとし、前回予測の3.6%から見通しを引き上げている。

(注)前月比は季節調整済みの数値。

(藤田豊)

(タイ)

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