議会再選挙、中道右派の新民主主義党による第2次政権発足

(ギリシャ)

ミラノ発

2023年07月05日

ギリシャ議会総選挙(一院制、定数300議席)の再選挙が6月25日に実施された(2023年5月31日記事参照)。今回の有権者数は998万234人、投票率は52.8%となり、5月21日の総選挙の投票率60.9%を下回った。選挙結果は、与党で中道右派の新民主主義党(ND)が得票率40.6%(前回40.8%)が158議席を獲得し、単独政権樹立を果たした(添付資料表参照)。キリアコス・ミツォタキス氏は6月26日にカテリナ・サケラロプル大統領の面前で宣誓して、首相に再就任し、翌27日に第2次政権が発足した。

2015年から2019年までの4年間にわたってギリシャを統治した急進左派連合(SYRIZA)は、再び第2党の座を獲得したものの、得票率は17.8%(前回20.1%)にとどまり、2019年の総選挙の得票率31.5%を大幅に下回る結果となった。続いて、全ギリシャ社会主義運動 ・変化のための運動(PASOK-KINIMA ALLAGIS)が得票率11.8%(前回11.5%)で3位、ギリシャ共産党(KKE)が得票率7.7%(前回7.2%)で4位となり、2019年7月に行われた総選挙と比較し、議会の主要政党に大きな入れ替わりは見られなかった。今回の選挙では、国粋主義的な性質をもつ3政党、ギリシャの解決策(ELLINIKI LISI)、スパルタンズ、勝利(NIKI)がそれぞれ得票率3%以上で議会入りを果たし、合計34議席を獲得する結果となった。

今回の選挙結果を受け、急進左派連合(SYRIZA)のアレクシス・ツィプラス前首相が6月29日に声明を発表し、「SYRIZAは新しい時代を切り開く時が来た。新しい党首の選定を提案する」とし、党首を辞任した。

(井上友里)

(ギリシャ)

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