世界初の年1万トン規模のグリーンメタノール合成プロジェクト、大連で着工へ

(中国)

大連発

2023年07月18日

中国の7月9日付「大連日報」によると、造船大手の中国船舶集団傘下の大連船舶重工集団と、エネルギー事業を展開する国有企業の浙江省能源集団(浙能集団)は、海運業のグリーン戦略的協力協定と、風力発電由来のグリーン水素によるグリーンメタノール合成プロジェクトに関する協力覚書(MOC)に署名した。

同協定は、船舶の脱硫業務やグリーンメタノール合成プロジェクト、脱炭素製品の研究開発、船体改造、石油プラットフォーム設置などの分野で多角的、多元的に戦略的協力を強化する内容となっている。

同プロジェクトのMOCでは、風力発電によりグリーン水素を製造、年間1万トンのグリーンメタノールを合成する世界初のプロジェクトを共同で実施するほか、新エネルギー産業の川上から川下まで一貫したイノベーションの創出でグリーンメタノール市場への共同参入を目指す(「東北新聞網」7月9日)。プロジェクトは8月から大連市長興島で着工の予定で、投資総額は6,000万ドル、2024年6月稼働見込みという(「信徳海事」7月6日)。

浙能集団は以前から「風力発電由来のグリーン水素によるグリーンメタノール合成モデル事業」で先駆的な取り組みを行い、年間50万トン規模のグリーンメタノール合成についても事業化可能性調査(FS)をほぼ完了しているという(「信徳海事」7月6日)。

世界的に省エネと二酸化炭素(CO2)排出削減が進められる中、船舶の燃料としてグリーンメタノールの活用が注目される。

(李莉)

(中国)

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