スイス自動車部品メーカーのギャレット・モーション、武漢工場を拡張
(中国、スイス)
武漢発
2023年07月05日
スイス自動車部品メーカーのギャレット・モーションは6月28日、中国・湖北省武漢市にある生産工場を拡張したことを発表した。今回の拡張は、段階的な拡張工事の第2期にあたる。これにより、乗用車のガソリンエンジン用可変容量ターボチャージャー(注)の高速自動生産ラインが導入され、同工場の生産能力は50%超上昇するとしている。
同社のオリビエ・ラビエCEO(最高経営責任者)は「中国で二酸化炭素(CO2)排出量削減およびゼロエミッション技術に対する需要が高まる中、自動車メーカーと共にさらなるイノベーションを進めていくことを楽しみにしている」と期待を述べた。
ギャレット・モーションは1994年に中国へ進出し、上海市と武漢市に世界トップクラスの先進的な製造施設とR&D(研究開発)センターを構えている。同社は中国で既に3,000万台以上のターボチャージャーを生産しており、武漢工場は2013年に開設され、年平均50%超の成長率で生産を拡大している。
同社の中国法人であるギャレット・中国の張越総経理は「ギャレット・モーションは中国での研究開発や製造、調達能力を拡大していく。われわれの目標は、中国で電気自動車(EV)シフトが進む中で自動車メーカーの進化するニーズに応え、世界最大の自動車市場の発展にさらに大きく貢献することだ」と述べ、今後も中国事業を拡大していく方針を示した。
(注)ターボチャージャーは、エンジン補助機の一種であり、エンジンに圧縮した空気を送り込むことで、より大きな出力を引き出す装置。なお、可変容量型ターボチャージャーでは、エンジンの回転数が上がっても、排ガスを使用するタービンの回転が上がるまでに時間がかかる「ターボラグ」と呼ばれる現象を防ぐことができる。
(楢橋広基)
(中国、スイス)
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