6月の消費者物価上昇率は前年同月比0.23%、通年見通しを下方修正

(タイ)

バンコク発

2023年07月14日

タイ商務省が7月5日に発表した2023年6月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年同月比で0.23%となり、前月(0.53%)から伸びがさらに鈍化した。これで、6カ月連続の上昇率の低下となる。

主な要因は食料品やエネルギー価格の鈍化で、ベースとなる前年同月の物価が高かったことも影響した。振れ幅の大きいエネルギーと生鮮食品を除くコア指数についても1.32%となり、前月(1.55%)から伸びが鈍化した。

食品・非アルコール飲料は3.37%(5月:3.99%)、非食品はマイナス1.88%(マイナス1.83%)となった。品目別の上昇率は、コメ・小麦・穀物製品2.98%(3.56%)、総菜3.42%(3.83%)、車両燃料マイナス16.03%(マイナス11.3%)など。

商務省によれば、2023年第2四半期のCPI上昇率は前年同期比で1.14%となった。また、第3四半期のCPI上昇率も引き続き低下すると予測する。干ばつや経済の活性化などの影響により、野菜、フルーツ、乳製品など一部製品の価格は上昇傾向にあるものの、燃料価格は安定傾向にあること、食品の中でも特に食肉価格が供給の増加を受け低下傾向にあることから、全体としては引き続きの低下を見込む。

上記の要因により、2023年通年のCPI上昇率については1.7~2.7%(中央値2.2%)から1.0~2.0%(中央値1.5%)へと予測を下方修正した。

(藤田豊)

(タイ)

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