サイバーセキュリティーの国際イベント「サイバー・ウィーク2023」がイスラエルで開催

(イスラエル)

テルアビブ発

2023年07月05日

イスラエルのテルアビブ大学で6月26~29日、サイバーセキュリティーの国際イベント「サイバー・ウィーク2023」が開催された。主催者によると、イベント期間中に50以上のセッションが開かれ、400人以上が登壇し、80カ国から1万人以上が参加した。サイバーセキュリティーが重要性を増す中、イベントではサイバー空間の未来や課題に関する議論が行われた。

「デジタル・フロンティアの航海」と題するセッションでは、イスラエルの会計検査院長兼オンブズマンのマタニヤフ・エングルマン氏が、人工知能(AI)には多くのプラス面があるが、テロ組織や犯罪組織に利用されるリスクもあり、イスラエルやアラブ諸国はAI時代に備えるべきだと指摘した。同氏は、イスラエルの会計検査院は欧州の関係機関と連携して、AIの実装準備ができている国を確認していると述べた。

写真 講演を行うマタニヤフ・エングルマン会計検査院長兼オンブズマン(ジェトロ撮影)

講演を行うマタニヤフ・エングルマン会計検査院長兼オンブズマン(ジェトロ撮影)

「デジタル時代のサイバーセキュリティー戦略」のセッションでは、イスラエル国家サイバー総局のガビー・ポルトノイ総局長が登壇し、イスラエルとアラブ首長国連邦(UAE)が連携して、サイバー調査と知識構築のための多国間協力プラットフォームを構築していると述べた。

「セキュリティーへの新しいアプローチ」のセッションでは、チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズのギル・シュエッド最高経営責任者(CEO)とデータセキュリティーを専門とするセントラのアサフ・コハン代表取締役社長兼共同創業者が討論を行った。シュエッドCEOは「企業のサイバーセキュリティーに対する意識は高く、セキュリティーは進化し続けているが、セキュリティーの低いグリッドにサーバーが接続されていることに問題がある。企業が使用しているほとんどのシステムは、攻撃の防御ではなく、攻撃の検知と修復に取り組んでいる」と指摘した。そうした中で、ネットワークセキュリティーにAIを活用することで、これまで何年もかかっていたシステムの作成とテストが数カ月でできるとし、「AIは良いものであり、受け入れるべきだ」と述べた。

なお、イベントでの議論の模様はイベントのウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで公開されている。

(ガブリエル・ホドス、中溝丘)

(イスラエル)

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