4月の輸出入は前年同月比2桁減

(香港)

香港発

2023年06月12日

香港特別行政区(以下、香港)政府統計処が529日に発表した貿易統計によると、20234月の貿易額は、輸出が前年同月比13.0%減の3,3833,500万香港ドル(約59,208億円、1香港ドル=約17.5円)、輸入が11.9%減の3,749960万香港ドルと、輸出入ともに減少した(添付資料図参照)。輸出は12カ月、輸入は10カ月連続のマイナスとなった。輸出・輸入ともに減少幅は1月(輸出36.7%減、輸入30.2%減)以降、2月(8.8%減、4.1%減)、3月(1.5%減、0.6%減)と縮小傾向を見せていたが、4月は輸出入ともに2桁減になった。貿易収支は3657,460万香港ドルの赤字で、15カ月連続の赤字となった。

主要国・地域別にみると(添付資料表参照)、4月の輸出では最大の輸出先である中国本土が前年同月比12.9%減、米国が19.9%減、インドが19.7%減だったほか、日本向けも10.2%減となった。一方、オランダ(1.2%増)、マカオ(14.1%増)は増加した。輸入では、中国本土(3.6%減)、台湾(13.0%減)、シンガポール(35.5%減)、日本(18.5%減)、米国(28.4%減)、韓国(33.8%減)など、主要国・地域で軒並み減少した。

香港政府報道官は4月の輸出について、「4月は前年同月比で中国本土、米国、EUいずれも減少した。他の主要なアジア地域についても、程度の差はあるものの同様に減少した」と指摘した。今後の見通しについては「先進国の成長鈍化が香港の輸出に引き続きマイナスの影響を与える可能性があるものの、中国本土の経済回復の加速により、その影響は緩和されるだろう」との見方を示した。

(山口雅史)

(香港)

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