第1四半期の実質GDP成長率は前期比3.8%
(ポーランド)
ワルシャワ発
2023年06月09日
ポーランド中央統計局(GUS)は5月31日、2023年第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率(季節調整済み)が前期比3.8%だったと発表した(添付資料表参照)。2022年第4四半期(10~12月)の同マイナス2.3%から回復した。前年同期比では横ばいの0.0%だった。これは、国内需要が前年同期比マイナス4.9%となったことが影響すると思われる。
需要項目別にみると、国内需要は前期比2.1%減で、2022年第4四半期の2.9%減より減少幅は縮小した。個人消費は、ウクライナ避難民の流入による人口増加にもかかわらず、0.8%減で、3四半期連続でマイナス成長となった。一方、政府消費支出は13.9%増となり、前期の11.4%減から一転し、大幅な伸びを記録した。総資本形成は5.8%減で、前期に引き続き低迷。輸出と輸入はそれぞれ0.4%減、4.0%減で、前期の0.3%減、2.2%減より減少幅が拡大した。
産業別にみると、建設(前期比0.8%増)、流通・自動車修理(2.3%増)、運輸倉庫業(4.2%増)、不動産(3.0%増)は前期の落ち込みから回復した。一方、製造業(0.7%減)、宿泊業・飲食業(22.9%減)はやや上振れしたが、プラス成長に及ばなかった。
ポーランド経済研究所は、インフレ率の上昇と実質賃金の低下により、消費が著しく弱まり、内需が低迷しているとみている。消費者の購買意欲の回復に伴い、経済成長率は2023年下半期には回復して1.0~1.5%、2023年通年では0.7%になると予測している。
(ニーナ・ルッベ)
(ポーランド)
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