インドネシアとマレーシア、ハラール認証の相互承認が成立

(インドネシア、マレーシア)

ジャカルタ発

2023年06月23日

インドネシアとマレーシアは6月8日、ハラール認証制度に関するMoC(協力覚書)に調印した。今回のMoC締結では、インドネシアのBPJPH(ハラール製品保証実施機関)とマレーシアのJAKIM(マレーシア・イスラム開発庁)がハラール認証発行のための適合性評価手続きと、認証などに関する技術協力を奨励・促進することに合意した。今後、BPJPHとJAKIMがそれぞれ発行するハラール証明書は両国で取引される産品に対して相互承認される。

MoC署名式はマレーシア・プトラジャヤの首相官邸で、インドネシアのジョコ・ウィドド大統領とマレーシアのアンワル・イブラヒム首相の会談中、BPJPHとJAKIMの各代表によって行われた。

JAKIMの発表によると、この相互承認により、インドネシアで製造し、BPJPHのハラール認証を取得した製品はマレーシア市場に参入できる。他方、ジェトロがBPJPH海外協力局のモハマド・ゼン氏に確認したところ(6月16日)、インドネシアにおける当該認定は、マレーシア国内で生産され、JAKIMからのハラール認証を得た製品にのみ適用される。JAKIMの認証を受けた製品がインドネシア市場に参入する上では、事前にBPJPHに対してJAKIM認証を登録する手続きを行う必要がある。当該行政手続きには80万ルピア(約7,600円、1ルピア=0.0095円)が必要となる(2021年BPJPH長官令第141号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

今回のMoCでは、インドネシアとマレーシアで生産された製品のみが相互承認の対象となる。そのため、日本で製造され、JAKIMやBPJPHのハラール認証を取得した製品などは対象とはならない。しかし、インドネシアやマレーシアで製造を行っている事業者にとっては、両国へのマーケットアクセスが容易になり、ビジネスの拡大につながることが期待される。

(中村一平、町井健太郎、リスナ・リザル)

(インドネシア、マレーシア)

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