インド、2022年度GDP成長率は7.2%、GDP総額は過去最高

(インド)

ニューデリー発

2023年06月06日

インド統計・計画実施省(MOSPI)は5月31日、2022年度(2022年4月~2023年3月)の実質GDP成長率(2011年基準)推計値を前年度比7.2%と発表した(添付資料表1参照)。新型コロナウイルスの影響を受けた前年度からV字回復を果たした2021年度の成長率9.1%と比べると伸び率は鈍化したものの、年間GDP総額は160兆642億5,000万ルピー(約272兆1,092億円、1ルピー=約1.7円)となり、過去最高になった。

2022年度の成長率を需要項目別にみると、前年度に引き続きほとんど全ての項目でプラス成長を維持した。特にGDP全体のうち最大の割合を占め、個人消費を示す民間最終消費支出が前年度比7.5%増で、次に大きな割合を占める企業の設備投資など投資活動を示す総固定資本形成が11.4%増と全体のプラス成長を牽引した。他方、輸出から輸入を差し引いた純輸出のマイナス幅は、3兆3,685億4,000万ルピーと前年度の1兆8,749億3,000万ルピーより増加しており、成長率を押し下げる要因となった。

産業部門別の粗付加価値(GVA)成長率をみると、全部門でプラス成長を維持した(添付資料表2参照)。「貿易・ホテル・運送・通信・報道関連サービス」が前年度比14.0%増と最も高い伸びをみせ、次いで「建設」が10.0%増、「電力・ガス・水道」が9.0%増と続いた。なお、「製造」は1.3%増と最も低い成長率にとどまり、前年度の11.1%に比べると大きく低下した。

なお、四半期ベースでは、2022年度第4四半期(2023年1~3月)のGDP成長率は6.1%(前年同期4.0%)と、10四半期連続でプラス成長を維持した。需要項目別でみると、特に総固定資本形成が8.9%増と前年同期の4.9%増から大きく拡大し、産業部門別では、全部門でプラス成長となった 〔添付資料「表3 2022年度第4四半期の需要項目別GDP成長率(2011年度基準)」、「表4 2022度第4四半期の産業部門別粗付加価値(GVA)成長率(2011年度基準)」参照〕。

(高際晃平)

(インド)

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